『名馬に学ぶ馬券術』に続く田端到氏による連載『王様と姫様の金満馬券王国』。王様と姫様が重賞レースを振り返りながら、今後に役立つ馬券術を見つけていきます。
今回のテーマは「シルバーステート産駒とキタサンブラック産駒のツボ」です。ぜひお楽しみください!
<キャラクター紹介>
王様:血統とローテーションを重視する。馬券名人として鳴らしたが、最近はヒモ抜けが多い。
姫様:競馬キャリアは10年くらい。ジョッキーと枠順に詳しい。川田と横山ファミリーが好き。
姫様:フローラSから振り返りましょう。1着アドマイヤベル、2着ラヴァンダの2頭が、オークスへの優先出走権を獲得しました。
王様:アドマイヤベルは順当勝ちだろう。芝2000mを中心に使われ、牡馬相手に互角の勝負をしてきた馬。ヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリードの半妹だ。
姫様:横山武史ジョッキーはこれでウインマリリンのフローラS、エフフォーリアの天皇賞・秋に続いて、東京芝2000の重賞3勝目です。中山芝2000の重賞も5勝していて、重賞だと2000mの勝率が飛び抜けて高いんですよ。
王様:そうなのか。ちなみにスワーヴリチャード産駒は早くも重賞4勝目で、勝ったのは全部牝馬だ。コラソンビート、レガレイラ、スウィープフィート、アドマイヤベル。
姫様:それは何か理由があるんですか。
王様:牡馬は切れ味に甘さがあるから、牝馬のほうが勝ち切れるってことだろう。
姫様:どの馬も堅実に走りますよね。
王様:重賞のスワーヴリチャード産駒を人気別に分けてみた。タイプとしては人気通りに走る血統だ。
・5番人気以内【4-3-1- 6】
・6番人気以下【0-0-2-10】
姫様:王様はアドマイヤベル本命でしたけど、2着のラヴァンダは無印でしたよね。これはなぜ?
王様:すまんかった。シルバーステート産駒は中山や福島、阪神など小回りコースや急坂コースが得意だから、わざわざ東京替わりで買うという発想がなかった。産駒の競馬場成績を勝率の順に並べるとこうなる。
姫様:ああ、福島と中山の勝率が高くて、東京と京都の勝率が低いんですね。そういえば京都のマイラーズCでは、シルバーステート産駒のエエヤンとセッションが負けていました。でも、それでフローラSをハズしたんじゃ意味ない(笑)。
王様:エエヤンは出し入れがきれいにハマるんだけどね。別の言い方をすると、シルバーステート産駒は先行力を活かせるコースが得意。内枠が得意という特徴もあって、フローラSと同じ日の東京芝1400でも産駒の内枠の逃げ先行馬がワンツーを決めた。
姫様:本当だ。東京3Rですね。
王様:だから単純に「東京割引き、中山買い」と覚えるんじゃなくて、内枠を活かせるコースかどうかという見方も大事なんだろう。フローラSは内枠有利の重賞だから、それだけでもラヴァンダをマークしなきゃいけなかった。
姫様:前走のチューリップ賞で直線の不利もありましたからね。
王様:え、そうなの? 知らんかった。レースを見てないのがバレる(笑)。おまけで言うと、1番人気で7着に沈んだバロネッサは休み明けのローテだった。フローラSで休み明けの1番人気はこれで【0-0-0-4】。2014年以降、全部消えている。この時期の3歳牝馬の東京芝2000はスタミナ勝負になるから、休み明けでは苦しい。
姫様:続いてマイラーズCも振り返ってください。1着ソウルラッシュは強かった。