「外差し傾向が顕著だった翌日には内側有利に変わる掴みどころのない馬場傾向」
「あのコジトモさんでも馬場読みが難しい芝コース」
どこの競馬場のことか、もうお分かりですね。そう、中京競馬場です。
1996年にGIに昇格した高松宮杯(現高松宮記念)と、2014年からはジャパンカップダートから名称を変えたダートのGIチャンピオンズカップの舞台にもなるなど、単なるローカル競馬場ではなく、準主場としての役割を果たしている中京競馬場。京都競馬場の改修工事の影響で、去年と一昨年は普段の倍近い日数で開催が行われました。今年も年明けからは京都競馬の代替としての開催が続いています。
ところで、この時期の中京開催ではレアなことが起きているのをお気づきでしょうか。中京競馬場は通常、小倉競馬場と共通のファンファーレを使用していますが、京都競馬の代替開催として行われている今開催では、京都や阪神のファンファーレが使用されています。14日の愛知杯や22日の東海Sといった、そもそも中京競馬場で行われる重賞レースは中京のファンファーレでいいと思うのですが、やはり使用されているのは京都・阪神の重賞ファンファーレです。
これは先週末から同時に小倉競馬も開催されていることに伴い、専用ファンファーレが同一の中京・小倉両競馬場を区別するためなのだそう。京都競馬場の改修という特別な事情があるためではありますが、中京競馬場は2種類のファンファーレが使われている唯一の競馬場となっているのです。
去年の9月、JRAアニバーサリーのタイミングで投稿した「メイケイエールと名古屋競馬」というコラムでも取り上げましたが、中京競馬場は所有者と使用者が異なる珍しい競馬場です。
(※)メイケイエールと名古屋競馬 ~JRAアニバーサリー~/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ
加えて、冒頭で触れた芝コースの馬場変化と言い、ローカルと主場の2つの顔と言い…。まるで中京競馬場は擬態能力を持つカメレオンのような競馬場に思えてきます。
そんな中京競競馬場からの映像で「70th」というロゴが目に入った方も多いのではないかと思います。今年、中京競馬場は1953(昭和28)年の第1回の開催から数えて、開設70周年を迎えました。
「メイケイエールと名古屋競馬」のコラムには亀谷主宰も興味を持ってくださり、その後、私も改めて中京競馬場の歴史や背景について色々と調べてみました。すると興味深いことがたくさんわかり、中京競馬場のマニアックな知識なども得ることが出来ました。
今年の開設70周年に併せて、今後、中京競馬場の歴史や、あまり知られていないトリビアなども当コラムでご紹介したいなと思っています。
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。