★今週の重賞ピックアップ★
4月17日中山11R 皐月賞(芝2000m)
皐月賞は中山芝2000mで施行。初角まで400m以上あり、ポジション争いにおける枠の内外の不利は少ないコースです。とはいえ、中山の芝レース全般の傾向として、内枠の回収率が出やすいのは頭に入れておいた方が良いでしょう。
クラシックともなると、ここを勝つために作られてきた同士の戦いになるので、基本的には前の馬をしっかり捉えられる差し馬を重視するのが基本戦略。とはいえ、芝のレースはインを上手に立ち回った馬が有利になりやすいので、展開、並びなどを想定して、柔軟に狙い馬を決めたいと考えています。
今年の皐月賞、メンバーを見渡してみての率直な感想は「分からなさ過ぎて面白い」です。上位人気が予想される面々は、ローテーションであったり、キャリアの浅さであったりと不安材料を抱えている反面、パフォーマンスには目をみはるものがあります。
一方で、過小評価されていると感じる馬もチラホラ。高いパフォーマンスを示してきた馬が一堂に会する頂上決戦としてのワクワク感と、面白そうな穴馬が複数いることによる馬券的なウキウキ感が混在する、非常に楽しみな一戦です。
人気どころで、もっとも死角が少ないのはドウデュースでしょうか。皐月賞は、直線だけの追い込みは決まりづらく、3コーナーから動いて勢いをつけて4コーナーを回りたいレース。朝日杯でその機動力は示しており、前走は、逆に勝負所で動けない不利があっての2着と負けて強しの内容でした。いかにも皐月賞が向きそうなタイプで、前走の敗戦で人気を落とすようなら絶好の狙い目とみていましたが、どうやらかなり人気になりそう。あとはオッズとの相談です。
ダノンベルーガの共同通信杯、キラーアビリティのホープフルS、イクイノックスの東スポ杯2歳S、どれも素晴らしいパフォーマンスでした。それぞれ不安材料はあれど、軽視するのは難しい馬たちです。
穴馬に目を向けると、ジャスティスロックは京都2歳S、弥生賞と、自分で動いていく機動力を発揮しており、皐月賞で求められる適性に合致しています。
ジオグリフも札幌2歳Sで機動力は証明済み。前走の共同通信杯は好位で一旦脚をためる新境地をみせました。そこでダノンベルーガと0.2秒差の2着なら上々です。今回、先行タイプが揃っているので、ペースが引き上がるようであれば、前走の経験が生きてくるでしょう。
また、差し馬ではありませんが、ビーアストニッシドは走っても走っても人気にならないタイプ。ここでもオッズ次第では十分、検討対象になるでしょう。
どういう展開を想定するか、どういう馬券を組みたいか、前提次第でどの馬からでも狙えそう。したがって、当然、枠順や並びが大きな鍵を握っていることは言うまでもありません。
【当日注目馬】
1ダノンベルーガ
4キラーアビリティ
11オニャンコポン
13ビーアストニッシド
14ジオグリフ
18イクイノックス
人気馬がキャリア少ない臨戦過程で実際に好走してきた馬たちのオッズが甘くなっている印象を受けます。内外の有利不利もあまりないコースでもありキャリアの少ない馬が期待通りに勝つのか、キャリアを積んで来た馬を買うのか精査が必要です。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言24
『「距離実績がないと買えない」という考えでは、穴は拾えない』
★ピックアップレース★
4月9日阪神11R 阪神牝馬S(芝1600m良)
注目馬:4メイショウミモザ
◎3デゼル
○4メイショウミモザ
▲5アカイトリノムスメ
△2アンドヴァラナウト
☆1ローレルアイリス
注12マジックキャッスル
参考買い目
単勝 3・4
ワイド 3―4・5・2
馬連 3―4・5・2・1・12
3連複 3―4・5・2―4・5・2・1・12
─先週の阪神牝馬Sはお見事でした。▲が取消なので、2番手→3番手→1番手評価の本線決着。ワイド2点と3連複はもちろん的中なのですが、何より凄いのが、9番人気の単勝68.7倍だった○4メイショウミモザの単勝を買い目に指定した点です。このパターン、『競馬放送局』の配信で、初めてのパターンじゃないですか?
みねた) よくご存知ですね。確かに初めて推奨買い目で単勝2点にしたのですが、人気薄が勝ち切ってくれてうまくいきました。正直言うと、普段通りのスタイルであれば◎メイショウミモザだったので、少し悔しい気持ちもあるのですが、意図的に10倍以下で期待値が取れそうな馬を狙った結果なので納得はしています。
─敢えて、上位人気馬から◎を選んだということですね。その意図も含め、このレースの思考を教えてください。
みねた) まずは展開の話をすると、前走で3番手以内の競馬をしている馬が5アカイトリノムスメと11クリノフラッシュだけでした。しかもアカイトリノムスメは2200mでの、クリノフラッシュはダートでの実績。スロー必至のメンバー構成で、前に行く馬が狙い目なのは明白です。
─先行意識の高い馬(前走通過順に3番手以内がある馬)をカウントするという、みねた理論の基本ですね。このレースはスローの前残りと読んだ人が多かったのか、SNS等でも10クリスティ狙いが目につきました。
みねた) 多くのファンが「逃げるのでは?」と考えている馬は期待値を取りにくく、期待値的には、結果的にいつもより前に行けそうな馬を狙うのが正解です。「逃げたら面白そう」という願望込みで馬券を買うのではなく、距離延長で位置取りが前になる可能性が高いメイショウミモザを狙う方が理にかなっていると思いませんか。
─クリスティが単勝オッズ18.3倍の6番人気と穴人気していたのに対し、メイショウミモザは単勝オッズ68.7倍の9番人気。この数字をみると、メイショウミモザの方が期待値をとれるのは理解できます。ただ、それなら同じく距離延長でより人気薄(単勝オッズ99.2倍・11番人気)だった1ローレルアイリスでもよかったように見えますが?
みねた) メイショウミモザの前走が0.6秒差の13着と、金言9『前走僅差の6着以下』に当てはまっていたのもありますが、最大の理由はメイショウミモザのオッズで十分だと考えたからです。メイショウミモザのオッズでも1/68以上で勝てばプラスという確率で、ローレルアイリスだと1/99以上で勝てばプラス。それでも狙うことはありますが、このレースでは期待値と好走確率のバランスからメイショウミモザが上位評価になりました。
─メイショウミモザは全4勝を1200mで挙げており、1400m以上では0-0-1-7と全く実績がありませんでした。さすがに買いにくくないですか?
みねた) 「距離実績がないと買えない」という考えでは、穴は拾えません。距離実績という数字は、メンバー構成次第の面があるので、その時にどんな馬と戦っていたのかを考えるのが重要です。ましてや、今回はスローペースを想定しているので、短めの距離適性でも通用する可能性は想定できました。
─確かに、1400m以上8戦のうち7戦は初勝利を挙げる前のもので、着別度数だけ見て「距離はもたない」と決めつけるのは早計だったかもしれません。さて、ここまでは対抗評価だったメイショウミモザの話でしたが、みねたさんの◎は3デゼルでした。
みねた) 予想文にも書きましたが、昨年の阪神牝馬Sも前に行きたい馬がイベリスぐらいしかおらず、今年の出馬表とよく似ていました。そしてデゼルは優勝した前年同様の距離短縮ローテ。同じようなメンバー構成であれば、デゼルにとって得意な展開、ペースになる確率は高まります。3着だったのは、内枠から外に出す分の差でしょう。
─いわゆるリピーター狙いですね。
みねた) オープンや重賞で、リピーター狙いは有効です。同じ季節、同じ条件で施行されるので、集まる馬も似てくるため、その馬にとって得意な展開、ペースになりやすいのでしょう。直近では、大阪杯のレイパパレが2年連続で馬券に絡んでいますし、2019年にコーラルSを勝っていたスマートダンディーが、今年のコーラルSも勝利しました。
─メイショウミモザが今走の展開から狙える馬、デゼルは適性的に狙える馬だったということですね。
みねた) そういうことです。正直、平場のレースでは、デゼルのような馬は買えないパターンです。スロー濃厚のレースで、距離短縮ローテの差し馬は狙いにくいので。重賞、オープンならではの狙いでした。
─結果は、◎デゼルが2番人気3着、○メイショウミモザが9番人気1着。
みねた) ◎の選択基準は「単勝で期待値をとれる馬」で、その観点でいえば、間違いなくメイショウミモザが筆頭候補でした。デゼルを◎にしたのは、私が自身の進化のために課しているテーマに由来するのですが、その辺りは、次回、お話したいと思います。
【第24回】皐月賞展望&「距離実績がないと買えない」という考えでは、穴は拾えない/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。