★今週の重賞ピックアップ★
10月2日中山11R スプリンターズS(芝1200m)
スプリンターズSは中山芝1200mで施行。初角となる3コーナーまでは275mです。初角まで長くない上に、スタートからずっとゆるいカーブを曲がり続けるようなコースレイアウトなので、道中で外を回る形だと距離損が大きいのが特徴です。道中で内のポジションを取りやすい内枠の方が有利です。
内が有利とはいえ、GIの舞台で目標となると苦しく、逃げ馬よりも2列目の内を取れそうな馬がよいでしょう。道中は内でロスなく立ち回り、スムーズに外に出すパターンが理想です。
今回の登録メンバーをみてみると、スプリント戦にしては先行馬が少ないのが目につきます。前走の通過順位に3番手以内があるのは、ウインマーベル、ダイアトニック、テイエムスパーダ、ファストフォース、レイハリア(除外対象)で、徹底先行タイプといえるのはテイエムスパーダぐらい。モズスーパーフレアやビアンフェが飛ばした過去のスプリンターズSとは明らかに様相が違います。
好位組が優勢と考えると、前走のセントウルSを5番手から抜け出したメイケイエールがピッタリ。強い馬が位置取りも有利となれば、簡単には崩れそうにありません。ただし、この馬は圧倒的な人気が予想されるので、◎にして期待値を取るのは難しそう。とはいえ、同じ好位組にこれといった馬が見当たりません。
先行馬が少ないということは、馬群が詰まった団子状態になり、先行馬も簡単には止まりません。したがって、穴を狙うなら、自分から動いていける馬、あるいは、瞬発力勝負に秀でた馬が候補となるでしょう。
前者ならキーンランドCを10-7の通過から差し切ったヴェントヴォーチェが面白い存在。距離短縮はあまり歓迎材料ではありませんが、安田記念で13-10と動いていったシュネルマイスターも、機動力を活かして1200mに対応できそうです。前走の北九州記念を10-8から3着したナムラクレアも当然有力で、あとはどれぐらいの人気になるか。能力、適性面からチャンスは十分ありますが、オッズも辛くなりそうです。
瞬発力勝負なら高松宮記念を14番手から差し切ったナランフレグに注目。手頃な人気にとどまるようなら、末脚堅実なタイセイビジョンにも狙い目が出てきそうです。
【枠順確定後注目馬】
1テイエムスパーダ
4ダイアトニック
8ファストフォース
12ヴェントヴォーチェ
13メイケイエール
15シュネルマイスター
スタートのポジション争いで内枠有利になり易いレイアウト。内枠に前走先行出来る馬が入り人気所が外枠。荒れる要素が出てきた。この並びなら思い切って穴馬から攻めたい。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言48
『先行馬が揃ったレースでの「逃げ挟み」』
★ピックアップレース★
9月25日中京11R 神戸新聞杯(芝2200m良)
◎2ボルドグフーシュ
○1リカンカブール
▲3ミスターホワイト
△6ヤマニンゼスト
☆5ヴェローナシチー
注7ジャスティンパレス
注14プラダリア
参考買い目
単勝 2
ワイド 2―1.3.6
馬連 2―1.3.6.5.7.14
3連複 2―1.3.6―1.3.6.5.7.14
─先週は亀谷競馬サロンにゲスト参加されたんですよね。そこでオールカマーはワイド3点で31.8倍、神戸新聞杯は同じくワイド3点で62.6倍と3連複12点で703.3倍を的中。ここぞで決める勝負強さはさすがです。
みねた) このタイミングで両重賞をしっかり当てられたのはよかったです。神戸新聞杯については、◎2ボルドグフーシュについては解説しましたが、△6ヤマニンゼストまでは触れられなかったので、ここで補足できればと思います。
─よろしくお願いします。まずは◎2ボルドグフーシュについてですが…。
みねた) 逃げ挟みですね。
─ですよね(笑)。ただ、それだけだとコラムが終わってしまうので、もう少し補足していただけますか。
みねた) この馬を高く評価できた理由は、逃げ挟みだった上に、「2勝クラス勝ち」、「先行馬の多い組み合わせ」という2つの加点要素がありました。
─「2勝クラス勝ち」と「先行馬の多い組み合わせ」。順番に説明していただけますか?
みねた) ローズSの週中展望でも軽く触れましたが、3歳夏に2勝クラスを勝つというのは、相応の実力が必要です。前走が重賞・オープンだった馬以外で、2勝クラスを勝っていたのは2ボルドグフーシュだけでした。
─確かにそうですね。前走が重賞・オープン以外だった10頭の前走の内訳は、未勝利勝ちが2頭、1勝クラス勝ちが3頭、2勝クラス勝ちが1頭、1勝クラス敗退が2頭、2勝クラス敗退が2頭です。
みねた) 1勝クラスと2勝クラスの間には明確なレベル差があるのに、意外とその点が考慮されにくくて、実際に、このレースで1番人気に支持されたのは前走1勝クラス勝ちだったパラレルヴィジョンでした。
─しかも12番人気で2着と波乱を演出した△6ヤマニンゼストは前走で2勝クラスの藻岩山特別6着。
みねた) その前に未勝利、1勝クラスを連勝しており、特に6-8-10-4の通過順位で勝利した1勝クラスの内容は秀逸です。前走は6着とはいえ、札幌で4角10番手では厳しく、上がり2位の脚を使って0.7秒差は悲観する内容でもありません。1勝クラス勝ち上がり組よりも下の12番人気というのは不当な低評価でした。
─金言9「前走僅差の6着以下」、金言27「位置取りを下げながら巻き返した馬」、金言32「競馬で勝ちたければ、「4」と「6」を意識しろ」など、これまでお聞きした要素が詰まっていますね。
みねた) さらに「先行馬の外」でもありました。2ボルドグフーシュに話を戻して、次は「先行馬の多い組み合わせ」について。このレースで、前走の通過順位に3番手以内があった馬は17頭中8頭でした。
─芝中距離のG2レースにしては、先行馬が揃っていますね。
みねた) かなりタフな流れになりそうですよね。そうなると、早めにバテる馬が出てくるので、先行馬群がバラけやすくなります。逆に先行馬が少ないと、前にいる馬も脚を残せるので、団子状態で直線を迎える可能性が高まります。見解文にも「前に行く馬には厳しいペースになり、3角手前で前がばらける展開で内からポジションを押し上げて差し切る流れを想定する」と書きました。
─実際、前に行った3ミスターホワイトが早めにバテて、内から押し上げた7ジャスティンパレスが勝利。2ボルドグフーシュは外を回して3着でした。
みねた) 2ボルドグフーシュが内を捌いてくる想定でしたが、逃げ挟みというのは、外に馬がいないので、スムーズに外に出しやすいのがメリットの一つ。つまり、「道中内から直線外」というのは、ある意味、逃げ挟みの理想型のレースぶりだったともいえます。
今回は、内を突いていればさらに上位の着順を狙えたかもしれませんが、それはあくまで結果論。大事なのは、先行馬が揃ったレースでの逃げ挟みというのは、バラけて内を突くパターンと直線で外に出すパターンの2つの選択肢があるということで、内で詰まるリスクが軽減される分、より狙いやすいのです。
─必殺技「逃げ挟み」に、さらなるオプションが追加されました(笑)。このレースについては、買い目の組み方についても詳細なレクチャーをいただいたのですが、それについては機会を改めてお届けしましょう。
【第48回】スプリンターズS展望&先行馬が揃ったレースでの「逃げ挟み」/馬券師・みねたの金言
- 03/22 (水) 【第72回】高松宮記念展望&最も期待値を取りやすい「普段は前に行ってい…
- 03/15 (水) 【第71回】阪神大賞典展望&「先行馬の割合が少ないレース」はわかりやす…
- 03/08 (水) 【第70回】金鯱賞展望&対抗以下を意識して◎を選択する/馬券師・みねたの…
- 03/01 (水) 【第69回】弥生賞展望&ダートは外枠有利という原則/馬券師・みねたの金言
- 02/22 (水) 【第68回】中山記念展望&前走使用距離を加味して展開を想定する/馬券師・…

みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。