★今週の重賞ピックアップ★
3月13日中京11R 金鯱賞(芝2000m)
金鯱賞は中京芝2000mで施行されます。スタンド前直線半ばからの発走で、初角となる1コーナーまでは300mほど。レイアウト的には、枠の内外の不利が出にくいコースです。ただし、今週は開幕週で、良好な馬場コンディションで行われる可能性が高そう。また、GIに向けてのステップレースなので、有力馬が無理な競馬をしないため、スローペースになりやすいのが特徴です。したがって、「内・先行」が恵まれやすいことは頭に入れておくべきでしょう。
登録メンバーを見渡すと、逃げ・先行馬が揃っているのが目につきます。レイパパレ、ジャックドールといった人気が予想される馬に加え、中京巧者のショウナンバルディ、シフルマンやシャドウディーヴァと多士済々。昨年はギベオンが単勝万馬券での逃げ切りを決めましたが、人気薄の逃げは舐められてこそ。手の内を知られている上に、強力な先行馬が揃ったここで、もう一丁を決めるのは簡単ではなさそうです。
ペース自体は上がらずとも、先行集団に強い馬がいるので、捲りタイプには厳しい展開が予想されます。一番、安定感があるのは、内枠から好位の4~5番手あたりに収まりそうな馬でしょう。候補としては、ジャパンCを4-6-6-7から4着したサンレイポケット、エリザベス女王杯を7-8-8-9から2着したステラリアなど。穴候補として、小倉大賞典を好位5番手から2着したランブリングアレーを挙げておきます。
先日の中山記念がまさにそうでしたが、逃げ・先行馬が揃った場合、強い一頭が残って、残りは全て沈むというケースがあります。しっかりと逃げ・先行馬に序列を見極めて、その馬を軸に据えるという戦略もあるでしょう。
金鯱賞といえば、98年のサイレンススズカの逃げ切りが思い出されます。直線を向いた段階で勝ち確定の手応えなのに、そこからさらに引き離していくシーンは鮮烈でした。力の足りない馬が必死に頑張る姿も感動しますが、言葉を失うほどの強さをみせてくれる馬もまた、感動を与えてくれます。
果たして、今年はどんなドラマが生まれるのでしょうか。馬券的には、枠と並びが大きな影響を及ぼしそうな一戦なので、まずは枠順に注目です。
【当日注目馬】
3ジャックドール
5ポタジェ
6アカイイト
10レイパパレ
13サンレイポケット
内に人気薄逃げが固まって入り先手争いは厳しくなりそうで人気薄の逃げ馬の好走は難しくなった印象。2022年の金鯱賞は好位から差せる馬を中心に馬券を考えました。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言19
『1番人気を◎にしてもいい』
★ピックアップレース★
3月6日中山12R 4歳以上2勝クラス(ダート1200m良)
注目馬:12スリーピート
買い目
単勝 12 2000円
ワイド 12―11・14・16 各1000円
馬連 12―8・9・11・14・16 各500円
三連複 12―11・14・16―8・9・11・14・16 各300円
─3月6日中山12Rは1番人気のスリーピート◎から、単勝(1.9倍)、ワイド(4.8倍)、馬連(32.6倍)、3連複(116.3倍)を完全的中。日曜の最終レースだけに、快哉を叫んだユーザーさんは多いのではないでしょうか。
みねた) 「期待値を追う」「期待値が取れる」という話をしていると、人気薄ばかり◎にしていると思われていそうなので、二倍を切る一番人気を◎にした上で、しっかりと回収できた点は良かったです。
─馬名を挙げるだけではなく買い目で勝負する、みねたさんの真骨頂だったように思います。どのような思考で12スリーピートを本命にし、買い目を組んだのかを教えてください。
みねた) 見解文にも書きましたが、ここはメンバー間のレベル差が大き過ぎました。前走で掲示板に載っていた馬が、4ブルースコード(2着)、6フォックススリープ(5着)、12スリーピート(2着)、16キュウドウクン(5着)の4頭だけ。
2走前に目を転じても、6フォックススリープと11ケイアイメープルと16キュウドウクンが1勝クラスを勝っている以外で掲示板に載っていたのが1ゴールドクロス(5着)、12スリーピート(2着)、15ブーケオブアイリス(5着)だけ。近況が冴えない馬が揃っているなかで、2走続けて現級2着、しかも前走で5番手から上がり35.9秒の脚を使っている12スリーピートは、一頭だけレベルが抜けている存在です。
─なるほど。前走の上がりを比較しても、脚抜きの良い馬場だった1000m戦で36.2秒を使った16キュウドウクン、中山ダート1200mで12番手から36.5秒を使った2オンリーワンボーイが目につくぐらいです。
みねた) 数字の比較においても、前に行って35.9秒の脚を使える12スリーピートを差せそうな馬が見当たりません。この馬の優位が明白だった上で、いくつかの条件が重なったため、勝負レースとすることができました。
─その条件を教えてください。
みねた) まず第一に、最初に説明した通り、前走掲示板の馬が12スリーピート以外に3頭しかいない相手関係だったこと。そして、前走で6着以下に敗れていた馬の中に、例えば「前残りの競馬を上がり最速で6着」のような強い負け方をしている馬がいなかったこと。さらに、他の有力馬のオッズに妙味がなかったこと。
─「他の有力馬のオッズに妙味がなかった」について、もう少し詳しく説明していただけますか?
みねた) 4ブルースコードは前走10番人気(31.2倍)から今走は2番人気(5.4倍)、6フォックススリープも前走6番人気(11.9倍)から今走は3番人気(6.6倍)でした。
金言8で触れたように、逃げた時点で、そのレースでの好走確率は高まります。したがって、前走逃げて2着の4ブルースコードはそれほど評価できませんし、6フォックススリープにしても前走5着と目立った内容でもないのに大幅に人気が上がっています。2頭とも、「大して強い競馬をしていないのに人気は大幅に上がっていた」わけです。
─なるほど。相手が強くない上に、12スリーピート以外の人気馬が怪しかったと。
みねた) 付け加えるなら、末脚確かな12スリーピートが外から交わしていくような形になれば、当然、前にいる組は厳しくなります。展開面においても4ブルースコードは不安を抱えていました。
─12スリーピート◎から、単勝+ワイド3点、馬連5点、三連複9点での総取りと、買い目構築もお見事でした。
みねた) 予想の段階で鉄板だと思っても、実際に勝率が50%を超えることはほぼないと考えているので、このレースは、単勝とワイドを押さえにして、馬連、三連複で利益を出すことを狙っています。1番人気から買う以上、ワイドは3点ぐらいに、馬連なら5点ぐらいに絞りたいので、相手もしっかりと序列をつけました。
─相手の選択もお見事でした。
みねた) 12スリーピートが強い競馬をすれば、必然的に相手として浮かび上がるのは差し馬です。○のネヴァタップアウトは金言9で触れた「前走僅差の6着以下」に当てはまる差し馬でした。2着の8ライフレッスンズは長期休養明けでしたが、この人気(10番人気)ならば、元々の戦績からも買えます。距離短縮ローテなので控える形も予測できましたし、先行馬の外という並びも買い材料でした。
─差し馬重視であれば、2オンリーワンボーイを押さえてもよい気がするのですが?
みねた) そういう選択をする人がいても不思議ではありませんし、間違いでもないと思います。仮にこの馬を含めた6頭の馬連でも期待値は取れているでしょう。点数を絞るのは、自分の中で人気馬が軸ならば相手は5頭以内に絞りたいというルールがあり、例外を簡単に作りたくないという考えがあります。例外を作ると将来の予想の精度にも関わって来ます。
オッズは人の意思。人の考えは日々変わっていくので臨機応変に考え方を変える必要はありますが、自分の決めたルール以外の事をやる時はそれをやる明確な根拠が必要です。このレースなら、2オンリーワンボーイは逃げ馬2頭の内側という並びが不利なので、相手に選んだ5頭よりも序列は下だと判断しました。
─見事に相手の序列も見切っての会心の的中でした。
みねた) 16頭立てのレースなら馬連は120通り。例え1番人気であっても、その馬が鉄板級と判断できれば、120通りある馬連が15通りに変わります。競馬は外れ馬券(に投じられる金額)が多いほど的中時のリターンが増えるので、単勝よりも馬連の方が人気馬から馬券を組んでも期待値がとりやすいのは当然のこと。極端な話、相手も人気馬だとしても、120通りのうちの1点買いなら十分に見合うレースもある筈です。
「期待値重視=人気馬を◎にしてはいけない」という固定観念に捉われるのではなく、しっかりレースが読み切れれば、1番人気を◎にしても、馬券の組み立てや相手選びで利益を出せる可能性があることは強調しておきたいです。