★今週の重賞ピックアップ★
5月15日東京11R ヴィクトリアマイル(芝1600m)
ヴィクトリアマイルは東京芝1600mで施行。初角となる3コーナーまで500m以上と距離がたっぷりあるため、先行争いにおける内外の有利不利はそれほどありません。
出走馬を見渡した率直な感想としては「いいメンバーが揃ったな」ですね。三冠牝馬デアリングタクト、桜花賞馬ソダシ、大阪杯馬レイパパレにサウジアラビアで1351ターフスプリントを制したソングライン。さらには2歳女王レシステンシア、エリザベス女王杯馬アカイイトと、GI級の馬が一同に会します。
メンバーレベルが高い=ハイレベルな争いと捉えるなら、距離短縮組に目がいきます。ましてや、今回は前走で3番手以内を記録している馬が8頭おり、ペースが緩む可能性が低く、その点からも距離短縮組にアドバンテージがありそう。大阪杯2着からの参戦という理想的なステップとなるレイパパレは有力です。
冒頭で豪華メンバーだと書きましたが、デアリングタクトは1年ぶりの実戦、ソダシは前走ダート、ソングラインは帰国緒戦と、ローテーションに不安を抱えています。仕上がっているのかどうか? 完調手前でも能力で圧倒できるのか? 未知な部分が多く、波乱の余地は十分にあるでしょう。
人気どころで死角が少ないのはレイパパレだとすぐにわかりますが、人気薄のピックアップは難解です。中距離ステップという点ではアカイイトも該当しますが、道中動いていくタイプなので速い流れは微妙。それでも、1600mへの短縮ローテならば、追い通しで最後に差すパターンも考えられます。
ファインルージュも秋華賞2着と中距離をこなす下地があり、東京コースも問題なく、オッズ次第では注目したい存在。
また、前哨戦を使った組では、距離延長馬が勝利する緩い流れとなった阪神牝馬Sで4角9番手から5着と、完全に脚を余した感のあるマジックキャッスル。今回、想定通りの厳しい流れになれば、前進は必至です。
その前哨戦を勝ったメイショウミモザは、引き続き、かなりの人気薄が見込まれます。展開面は向かない可能性が高いですが、期待値的には押さえておいて損はないでしょう。
ここまで、厳しい流れを想定して穴馬を挙げてきましたが、前走の敗戦でマークが薄くなるようなら、レシステンシアの前残りに張る手もあります。
【当日注目馬】
2ソングライン
3メイショウミモザ
5ソダシ
11ファインルージュ
13レイパパレ
14アカイイト
18テルツェット
枠が決まる前から厳しい流れを想定していたが、先行馬が固まって入る配置され厳しい流れになる確率が高まった。ここは差し馬有利と見て予想を組み立てて行きたい。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言28
『逃げ馬は「ナメられている」時に狙え』
★ピックアップレース★
5月7日東京4R 3歳未勝利(芝1600m良)
注目馬:1ラッキークローバー
買い目
単勝 1 2000円
ワイド 1―4・6・9 各1000円
馬連 1―4・6・9・10・18 各500円
3連複 1―4・6・9―4・6・9・10・18 各300円
─土曜東京4Rの3歳未勝利戦では、距離延長の1ラッキークローバーに◎を打ち、同馬が見事な逃げ切り勝ち。◎☆○の決着で、単勝、ワイド、馬連、3連複の総取りとなり、推奨買い目通りなら10,200円→76,150円という払い戻しになりました。
みねた) 『競馬放送局』の見解文で書いた「距離延長で行き脚ついた1ラッキークローバーが先手を取ってそのまま逃げ切る展開が回収率が取れる」通りの結果になってよかったです。
─展開想定としては、前有利だったんですね?
みねた) いつも通り、前走の通過順に3番手以内がある馬をカウントすると、18頭中の5頭で占有率28%。4ベルウッドスカイは前走ダートなので実質的には4頭しかおらず、先行有利が明白でした。
新馬戦で逃げた経験があり、前走1200mで先行していた1ラッキークローバーが最内枠ならば、この馬がハナを切ることは容易に予見できますよね。加えて、4ベルウッドスカイを除いて考えるなら、前走3番手以内経験馬の配置が、1番、8番、9番、15番となり、1頭離れた逃げ馬という理想的な並びでもありました(金言7参照)。
─とはいえ、みねたさんはどちらかといえば、逃げ馬そのものを狙うよりも、逃げ馬を目標に差してくる馬を狙うイメージがあります。今回は、逃げ馬を狙う時、狙わない時の「上げ下げ」について教えてください。
みねた) おっしゃる通り、基本的には差す馬を選ぶことが多いですね。ただ、このレースに関しては、24倍(予想段階のオッズ。最終オッズは16倍)あるなら、妙味を追ってそのまま逃げ切るパターン狙いでいいだろうと考えました。結局、「上げ下げ」というのは、オッズによるところが大きいです。
─逃げ馬自体が人気薄ならば、そのまま買う、と。
みねた) 1ラッキークローバーはオッズが甘かったですよね。「距離短縮が強い」というのはファンに知れ渡っていて、オッズに反映されている反面、距離延長馬は、展開が向くパターンでも甘いオッズのまま放置されていることが多い気がします。
─「1ラッキークローバーを差せる馬を探す」というアプローチはしなかったのですか?
みねた) このレースで、逃げ馬を好位から差しそうな候補は16テールデトワールや6クインズステラですが、単勝オッズが3.4倍と5.9倍です。逃げ馬を目標に好位から差す馬が有利な展開を想定すると、人気馬に展開が向くということになります。仮に良さそうな人気薄がいたとしても、人気馬に間を割られてしまう可能性も少なくありません。だったら、人気薄がそのまま前で残るパターンを買った方がいいでしょう。
─「1ラッキークローバーが先手を取ってそのまま逃げ切る展開が回収率が取れる」という見解文には、それだけの思考が隠されていたんですね。逃げ馬狙いという意味では、不的中でしたがNHKマイルCでも、逃げ想定で13ジャングロを本命にされていましたよね。
みねた) これもオッズが最大の理由ですね。前回の週中コラムで1マテンロウオリオンを強調したように、この馬の東京替わりは非常に魅力的ではありました。ですが、マテンロウオリオンの単勝オッズが6.8倍、ジャングロが14.5倍ということなら話は変わります。
─考えてみたら、ニュージーランドTで先着しているジャングロの方が、マテンロウオリオンより2倍以上オッズがついているのは不思議な感じがします。
みねた) 一言で言えば「ナメられていた」ということですよね。そして、逃げ馬は、ナメられている時こそ狙い目で、それはすなわちオッズがついている時ということになります。
─オッズとは競馬ファンの総意ですが、イコール騎手の意識と考えてよいのでしょうか。
みねた) おそらくジョッキーもオッズを見ているので、判断に影響を与えていると思います。また、デビュー前の新馬戦で人気が作られるのは、トレセン内での評価によるところが大きいように、オッズには関係者の考えが織り込まれているのではないでしょうか。
─確かに、逃げ馬を追う騎手心理を考えてみると、逃げ馬が人気馬か人気薄かの違いは大きいような気がします。人気薄の逃げ馬を早めに追いかけた結果、後続に差されたら、騎乗ミスと判断されそう。
みねた) 後続の騎手が「逃げ馬を差してやろう」と考えているか、無視しているかで全く違いますよね。逃げ馬が人気の場合、後続は逃げ馬さえ捕まえれば勝てると考えます。まさに高松宮記念のレシステンシアがいい例で、もし同馬が人気薄であれば、2番手以降の仕掛けが遅くなり、結果も違っていたはず。それぐらい、逃げ馬にとっては「ナメられる」ことが重要なのです。
─みねたさんが逃げ馬を狙う呼吸については理解できました。先週は、土曜中京10Rの鞍ケ池特別ではリトルクレバー、日曜中京11Rの鞍馬Sではシゲルピンクルビーと、逃げ馬を好位で追う馬にも◎を打ち、見事に的中されていますので、逃げ馬を狙わなかったパターンについては、稿を改めてお聞きしましょう。