★今週の重賞ピックアップ★
12月25日中山11R・有馬記念(芝2500m)
今週末はグランプリ有馬記念。好メンバーが顔を揃えて、予想のし甲斐のある一戦となりました。
中山芝2500mは、初角までの距離が200m弱。初角までの距離が短く、内有利・先行有利のレイアウトとして広く知られています。コーナー6回のコースでもあるため、道中で外を回る形になると厳しくなります。それだけに、枠順という要素が非常に重要。
有馬記念はオグリキャップにトウカイテイオーとドラマチックな復活劇でも知られていますが、オグリキャップは4枠8番、トウカイテイオーは3枠4番と内目の好枠を手にしていました。それぞれのレースで当面のライバルと目されていたホワイトストーンは7枠13番、ビワハヤヒデは8枠13番と外枠。奇跡の復活の裏には枠順の後押しがあったのも見逃せず、そういう意味では、枠順決定からドラマが始まっているとも言えるかもしれません。
登録馬16頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。全体の25%と割合が少なく、この点からも狙いやすいのは先行馬、もしくは捲れる馬になりそうです。
昨年は1枠2番を引き当てたパンサラッサが逃げをうち、タイトルホルダーは16番枠から2番手で追う形。非常に厳しい競馬を強いられながら、ゴール後にはまだ伸びようとする姿をみせていました。今年は、パンサラッサ不在で一転して、展開面は楽になりそう。春のGI・2連勝の内容をみても、タイトルホルダーの能力の高さは疑いようがなく、ここは凱旋門賞帰りの状態面だけが懸案事項。この馬がしっかり能力を出し切るのであれば、捲りおよび差し馬勢は苦しく、先行・好位差しの組が有利になるでしょう。
ディープボンドは宝塚記念で3番人気4着。パンサラッサ、タイトルホルダーを追う形で早めに動いて粘った、内容のある4着でした。この馬も凱旋門賞帰りになりますが、人気薄であれば、その点には目を瞑れます。タイトルホルダーについていく形での粘りこみは十分。
ジャスティンパレスも先行力とスタミナを兼ね備えており、タイトルホルダーが走るパターンで一緒に好走が期待できそうな一頭。さらに人気薄を狙うなら、日経賞でタイトルホルダーの後ろを追走して2着という実績があるボッケリーニでしょうか。
タイトルホルダーが本調子になく、バテてしまうケースでは捲りを打てるタイプが浮上。その筆頭候補として、ボルドグフーシュを挙げておきます。菊花賞は12→13→10→4から2着という超ロングスパートでした。
有馬記念なので、上位人気勢についても一言ずつ触れておきましょう。イクイノックスについては、3歳で天皇賞・秋を制した実績の通り、間違いなく強い馬。課題は極端な差し脚質であることで、そこが人気に見合うかどうか。中山コースに替わりますが、ルメール騎手なら特にマイナス材料とはならないとみます。
復活の期待がかかるのはエフフォーリア。昨年の覇者で、中山芝2500mというコースの特殊性を考えると、ここが復活の舞台になってもなんら不思議ではありません。状態面を不安視する報道もあるようですが、それでオッズが甘くなるなら、馬券的にはむしろ狙いやすくなります。
ジェラルディーナは、前走、自力で動く競馬でエリザベス女王杯を制しました。2走前にはオールカマーも制しており、中山は向くでしょう。前走のレースぶりは確かな成長を感じさせ、ここでも通用する可能性を秘めています。ただ、エリザベス女王杯が4番人気で、今回、それと同等以上の人気だとすると、やや過剰人気の感も。
ジャパンカップでのヴェラアズールの走りは正直、驚きました。ジャパンカップはメンバーに恵まれた部分もありましたが、素晴らしい瞬発力で差し切り。いまだに、芝では底を見せていません。ジャパンカップで激走すると、その反動で有馬記念では嫌いたくなるところですが、想定では、5番人気前後にとどまりそう。それならば狙ってみる価値はありそうで、しっかりオッズを注視したいと思います。
冒頭でも書いた通り、枠順が結果に直結する一戦。まずは木曜日の公開枠順抽選を見守りましょう。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
2イズジョーノキセキ
3ボルドグフーシュ
7エフフォーリア
9イクイノックス
10ジャスティンパレス
13タイトルホルダー
16ディープボンド
前目で競馬を進める馬が外に追い込み馬が内に入る並びで混戦ムードが増した。コースは内が良いがメンバー構成的に展開が向きそうなのは外枠の馬と波乱要素有り。
■みねたの金言60
『オッズが甘くなりやすい「二桁着順」』
★ピックアップレース★
12月18日中京2R・3歳以上1勝クラス(ダート1900m良)
◎7ルーパステソーロ
○2メイショウシヅキ
▲5ルージュフェリーク
△8エミサソウツバサ
☆11バイス
注10タマモエイトビート
【参考買い目】
単勝 7 2000円
ワイド7-2.5.8 各1000円
馬連 7-2.5.8.11.10 各500円
3連複 7-2.5.8-2.5.8.11.10 各300円
──12月18日中京2Rでは◎ルーパステソーロが6番人気1着。参考買い目は単勝、ワイド、馬連、3連複の総取りで49,180円の払い戻しとなりました。これで勝負レースの◎の単勝回収率も10月は128%、11月は188%、12月は165%(12月18日終了時点)と3ヶ月連続プラスと好調ですが、◎ルーパステソーロの思考を教えていただけますか。
みねた: 「スタートから最初のコーナーまでの距離は長く先手争いで内外の有利不利は少ないレイアウト。メンバー構成からは前に行ける馬が有利な組み合わせ」という見解文の通りですよ。前走の通過順位に3番手以内があったのが、1シュプリンガー、7ルーパステソーロ、9タガノバルコスの3頭だけだったので、その中から最も期待値が取れそうな7ルーパステソーロを選びました。
──この3頭、みねたさんが予想されている午前3時頃だと、どの馬も単勝8倍前後で並んでいました。さらに言えば、「逃げ挟み」の8エミサソウツバサも含めて、なかなか甲乙つけ難い印象だったのですが。
みねた: 確かに8エミサソウツバサから買えば、相手も前に行く7と9に絞れて買いやすいので、手筋としてはアリですよね。ただ今回は、その流れで7ルーパステソーロが逃げ切る可能性のほうが期待値を取れると判断しました。
──1シュプリンガーと7ルーパステソーロはともに「前走芝で先行」、かつ「ダートで未勝利勝ち」という共通項があって、ここもまたなかなか選びにくかったような。
みねた: 個別の買い材料ももちろんあるのですが、7ルーパステソーロの場合は二走連続二桁着順というのがよかったです。期待値が取りやすいパターンなので。
──二走続けて二桁着順だと、無条件で消してしまいそうです。
みねた: まさにそれが「心理戦」ですよね。例えば、これまでに期待値の取りやすいパターンとして金言9「前走僅差の6着以下」がありましたが、この手の馬はみつけやすいし、好走率も高いので買いやすいため、売れ過ぎてしまっているケースも目につきます。今だと、データ系、AI系の参入の影響も見逃せません。直前でオッズが甘い馬は買い込まれてしまう可能性があるのです。
──7ルーパステソーロの場合、午前3時の段階では6.8倍でしたが、最終オッズは10.2倍まで上がっていました。
みねた: 以前に比べて、勝負レースの◎の確定オッズが購入段階に比べて著しく下がるケースは減っていて、むしろ今回のように確定オッズでさらについているケースが増えています。事前予想で勝負レースを出す部分のスキルがアップしている手応えはあって、それが勝負レースの◎の単勝回収率が好調に推移している要因なのかなと自負しています。
──土曜の阪神メインでも、◎エレナアヴァンティが12番人気でアタマ差の2着でしたが、この馬も前走14着からの巻き返しでした。
みねた: 惜しかったです(苦笑)。こちらも前走のルミエールオータムダッシュこそ14着でしたが、その前のオパールSは3着でした。いかに前走二桁着順の馬が軽視されやすいか、端的に表していた好例ですね。
──この馬も時系列オッズを遡っていくと、午前3時段階では29.4倍、そこから一旦は20倍を切るところまで売れますが、締め切りに向けてオッズが上がっていき、最終的には50.3倍でした。
みねた: やっぱり、今は前走大敗馬のオッズが跳ねやすいんですよ。なかなか、一般的な競馬ファンは単勝50倍クラスの馬を軸にして買えませんから。ただ、これとて、多くの人が「前走二桁着順の馬は儲かる」と買い始めたら期待値は取れなくなるし、一方で「前走僅差の6着以下はオッズが辛くて儲からない」と、それを狙っていた人たちが勝負の場から退場すれば、再び狙いやすくなるでしょう。
──何度もお話を伺ってきた「パリミュチュエル方式の本質」ですね。
みねた: はい。ただ、「前走二桁着順」「二走連続二桁着順」みたいな馬は、わかっていても買いにくい部分があるので、今後もオッズは甘くなりやすい傾向が続くような気はしています。