プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は『「先行馬の割合が少ないレース」はわかりやすい』です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
3月19日阪神11R 阪神大賞典(芝3000m)
阪神大賞典は阪神芝3000mで施行。初角となる3コーナーまでは360mほどで、先行争いにおける内外の有利不利はあまりありません。
今回の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは、アイアンバローズ、シロニイ、ジャスティンパレス、ディープボンド、ブレークアップ、メロディーレーンの6頭。登録15頭に対して6頭。長距離のG2戦にしては先行馬が多いというのが第一感です。
ただ、その直後の好位につけそうな馬が見当たらず、あとは捲りと追い込みが中心のメンバー構成。前に行く組にとっては、強い先行馬に早めに来られるのが一番厄介ですが、ここは突かれることなく隊列が形成されそう。意外と前が恵まれる可能性も高そうです。
想定1番人気はボルドグフーシュ。菊花賞、有馬記念と2戦続けて豪快な捲りで連対を果たしています。ただ、捲る競馬はロスが大きいというのは間違いないところで、ここ2戦は展開が嵌まった部分があるのも否めません。ここは、自身より前で先行馬を捕まえにいく馬が不在で、展開面は楽ではありません。もちろんスタートが決まって位置を取れればアッサリがありますし、能力的に明け4歳のトップグループの一角であることは疑いようがありませんが、2倍前後のオッズで期待値が取れるかは微妙です。
同じ明け4歳ならジャスティンパレスが面白そう。有馬記念は果敢に先行策を取りましたが、イクイノックスに早めに捲られる苦しい形になりました。7着でも内容は悪くなく、神戸新聞杯ではボルドグフーシュに先着と能力の高さは証明済みです。
同様のニュアンスなのが、有馬記念で不利な16番枠から2番手を進んで8着に敗れたディープボンド。昨年の阪神大賞典の勝ち馬です。この馬も苦しい展開でしたし、阪神芝3000mは特殊なコースなのでリピーターが活躍する傾向があります。
この2頭はオッズ次第で序列を決めたいところです。
穴なら前走のダートは度外視できるアイアンバローズ。その前の2走はともにG2で6着、4着と期待値の取れそうな負け方をしています。
アフリカンゴールドは前走の京都記念で9着。本来の先行力を発揮することはできませんでした。とはいえ、4角12番手から押し上げたレース内容をみると、まだ闘争心は感じられます。単勝100倍前後の評価なら、思い切って狙ってみる手もありそうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1ボルドグフーシュ
2ユーキャンスマイル
3ジャスティンパレス
7ブレークアップ
11アフリカンゴールド
13ディープボンド
古馬長距離路線最高峰のメンバーが集まりレベルの高い1戦になりそう。並びからはジャスティンパレスが良さそうだが人気を考えると馬券は難解。
紐荒れ狙いで馬券は組む。
■みねたの金言71
『「先行馬の割合が少ないレース」はわかりやすい』
★ピックアップレース★
2022年10月1日中京2R 2歳未勝利(芝2000m良)
◎4ビップクロエ
○1アウローラシエル
▲6ラバタンシン
△3ジャッドノワール
☆9ガルヴァナイズ
[参考買い目]
単勝 4 2000円
ワイド 4-1.6.3 各1000円
馬連 4-1.6.3.9 各600円
3連複 4-1.6.3.9 各400円
──去年の10月は、資金配分についてのお話を伺っていたので、この頃の勝負レースについてほとんどお話を伺っていませんでした。そこで、今回は、当時の勝負レースを振り返っていきたいと思います。
みねた: わかりました。
──昨年10月の勝負レースで、お話を聞きたいレースをピックアップしていったところ、ちょっとした共通点というか傾向みたいなものが浮かび上がったんです。
みねた: ほう。
──候補に取り上げた4レース中、3レースが「前走3番手以内追走馬の割合が30%以下」だったんです。なかには、10頭中0頭なんていうレースもありました。
みねた: それはけっして偶然ではありませんよ。やはり先行馬の割合が少ないレースのほうがわかりやすいですからね。
例えば先行馬が15頭中9頭いるようなレースは、ペースが激しくなるとみて残りの6頭から選ぶのか、それとも9頭の中で期待値を取れそうな馬を選ぶのか難しいですよね。差し馬を軸にしたとしても、競馬は1頭か2頭は先行馬が残るものなので、結局、9頭から相手選びもしなければなりません。馬券の組み立てが難しいんです。
──みねたさんは、常々「差し馬を軸にしたほうが馬券の組み立てが楽」とおっしゃっていましたが、確かに、先行馬が3頭しかいなければ、差し馬からその3頭に流せば済むけれど、9頭もいるとそうはいきません。
みねた: 私は先行馬の割合が多いレースでも、期待値の取れそうなパターンなども組み合わせて本命を導き出していますが、やはり難易度は上がりますよね。それよりも、先行馬が少なくて、シンプルに前が残るパターン、あるいは、好位の馬が前の馬を差すパターンを狙ったほうが簡単です。ここに、例えば「初角までが短いコースの内枠」など、先行馬にとって狙いやすいファクターが重なっていれば、迷うことなく勝負できます。
──例えば10月10日の東京10R・六社ステークス(芝2400m)は、10頭立てで先行馬が3頭。そのうちの1頭、3ブレークアップを素直に狙うパターンでした(1着・単勝440円)。
みねた: このレースは、単勝2.2倍の1番人気9レッドヴェロシティが15→15→12→8という捲り脚質だったのが大きいですね。阪神大賞典の展望でも述べましたが、基本的に捲りというのはロスの大きな戦法で、人気の時に買うのは期待値が見合わないことが多いです。
パリミュチュエル方式である以上、期待値の見合わない人気馬がいるレース、要するに過剰に人気を吸っている危険な人気馬がいるレースは買いやすいですよね。特に私は「勝負レース」においては的中率と回収率のバランスを重視しているので、危険な人気馬がいるレースで、期待値の見合う2番人気馬や3番人気馬を狙うケースは増えます。
──ひとつだけ気になったのは、3ブレークアップは先行馬の3頭並びの真ん中でした。これはあまり歓迎材料ではありませんよね?
みねた: そうですね。ここは単純に期待値の問題です。4マリノアズラは逃げ切っての昇級戦でした。2ダノングロワールは、7番人気の15.7倍なら期待値は取れていたと思いますが、それ以上に、ブレークアップのほうが的中確率×オッズのバランスが良いと判断したということです。
──10月1日の中京2R・2歳未勝利戦(芝2000m)も、10頭立てで先行馬が3頭。ただ、このレースは少し捻って、4ビップクロエから先行馬3頭(1アウローラシエル、6ラバタンシン、9ガルヴァナイズ)へ流す形で、単勝14.9倍、ワイド8.4倍、馬連32.1倍、3連複40.8倍をズバリ的中。推奨買い目で、9800円→73,780円という払い戻しになりました。
みねた: これは少し応用ですね。4ビップクロエは1400mから2000mへの距離延長なので、行き脚がつきやすく、先行馬に準ずる存在でした。
この馬の過去2走を振り返ると、新馬戦(芝1600m)は0.4秒差の4着、続く未勝利戦(芝1400m)が0.7秒差の10着でした。新馬戦は金言32「競馬で勝ちたければ、4と6を意識しろ」に該当していますし、前走も0.7秒差の10着は、金言9「前走僅差の6着以下」という期待値の取りやすいパターン。2走連続で面白い競馬をしていました。
▼参考記事
【第9回】有馬記念展望&前走僅差の6着以下/馬券師・みねたの金言
【第32回】エプソムC展望&競馬で勝ちたければ、「4」と「6」を意識しろ/馬券師・みねたの金言
──レースでは4ビップクロエはハナを奪って逃げ切り勝ち。6ラバタンシンこそ4角5番手からの差しでしたが、3着4着は道中で2番手3番手だった馬で、まさに想定通りの前残りとなりました。
みねた: 何度もお話ししている通り、最も期待値が取れるのは「普段は前に行っていない馬が前に行けた時」。このレースの4ビップクロエのように、先行馬の少ないレースでの距離延長というのは、まさに「普段は前に行っていない馬が前に行ける」パターンになりやすいのです。
これ以外の「普段は前に行っていない馬が前に行ける」パターンについては、次回、詳しくお話ししますね。