プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「人気薄が◎なら、対抗以下は来る可能性重視で」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
▼単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が6月21日(水)に発売!
6月21日(水)にみねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されます。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
★今週の重賞ピックアップ★
5月28日東京11R・日本ダービー(芝2400m)
今週はいよいよ競馬の祭典・日本ダービーです。東京芝2400mは初角となる1コーナーまでは約350mで、先行争いによる内外の有利不利はそれほど大きくありません。とはいえ、何度も書いていますが、トップクラスの馬たちが争うG1レース、基本的にはロスの少ない内枠有利と考えてよいでしょう。
今回、出走予定の18頭のうち、前走の通過順に3番手以内があるのは、グリューネグリーン、ドゥラエレーデ、パクスオトマニカ、ベラジオオペラの4頭。ステップレースが絞られているだけあって、割合は大きくなく、先行有利になりそうです。とはいえ、目標になる形は辛いので、好位組から穴馬を探したいレースです。
このレースの注目はなんといっても、無敗で皐月賞を制したソールオリエンス。皐月賞では、4角17番手から圧巻の末脚を発揮しました。想定オッズ3倍台半ばなら、これが見合うと思えば◎にもできるオッズ。ただ、展開派、期待値派としては、◎にしにくい存在なのも事実です。単行本にも書きましたが、私が大勝負をして散った、2007年のフサイチホウオーに通じているような…(笑)。
スキルヴィングはデビューから一貫して差す競馬を試みられている点に好感。ダービーを勝てていない青葉賞組ですが、今年は逆転があっても不思議ではありません。
前崩れの皐月賞を好位から踏ん張ったタスティエーラにも注目。想定通り、4番人気前後なら期待値は取れそうです。
先行勢で面白そうなのはドゥラエレーデ。こちらはデビュー戦から一貫して先行策を取っており、戦法が定まっているのが強み。デビュー以来、全て乗り替わりとなりながら結果を残しており、能力も高いのでしょう。内枠を引ければ。
前の組に厳しかった皐月賞で先行していたベラジオオペラの巻き返しもありそう。その皐月賞で早めに動いたシャザーンも前進が期待できそうです。
前哨戦の京都新聞杯を好位差しで勝ったサトノグランツも5番人気前後なら面白そう。1勝クラスは差しで勝ってきて欲しかったところではありますが…。
プリンシパルSを逃げ切ったのはパクスオトマニカ。ここは全くの人気薄になりそうで、ナメられ逃げがハマるかもしれません。ただ、好走確率自体はかなり低そうですね。
穴候補がどれも一長一短という印象で、混戦ムードのダービーとなりました。それだけに、馬券的には、枠や並びの重要度が大きな一戦だと言えるでしょう。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1ベラジオオペラ
2スキルヴィング
4トップナイフ
8メタルスピード
9グリューネグリーン
12タスティエーラ
並びからは大穴台頭もありと見て予想を組み立てる。前に行ける馬を中心に最内枠引いた1べラジオオペラ、2枠2番で内が前に行く馬で競馬をし易い2スキルヴィングから高配当を狙う。
■みねたの金言81
『人気薄が◎なら、対抗以下は来る可能性重視で』
★ピックアップレース★
2023年5月14日新潟11R・弥彦S(芝1800m良)
◎1ルドヴィクス
○9グランスラムアスク
▲4ソウルトレイン
△12スパイラルノヴァ
☆7エリオトローピオ
注3サジェス
[参考買い目]
単勝 1 2000円
ワイド 1-9.4.12 各1000円
馬連 1-9.4.12.7.3 各500円
3連複 1-9.4.12-9.4.12.7.3 各300円
──前々回では「外から選ぶコース」について、前回は「内から選ぶコース」について教えていただきました。東京ダート1600mは初角まで長い芝スタートなので「外から選ぶ」、東京芝2000mは初角まで短いコースなので「内から選ぶ」。
ただ、5月2週目に勝負レースでズバッと仕留めた2レースが、初角まで700m以上ある新潟芝1800mと芝スタートの京都ダート1400m戦という、どちらかといえば外から選びたいコースだったのに、どちらも◎は1枠1番の馬でした。これはどういうことでしょうか?
みねた: 金言57「展開が合わなくても期待値が見合えばいい」にも通じますが、展開にしろ並びにしろ、期待値が取れる馬を選ぶための手段なので、期待値さえ見合っていればどこから買ってもいいんですよ。
▼参考記事
【第57回】チャンピオンズC展望&展開が合わなくても期待値が見合えばいい/馬券師・みねたの金言
例えば5月13日の京都6Rは芝スタートのダート1400m戦なので、「外から選ぶコース」としてアプローチをしていました。ただ、外から順番に期待値が見合うか見ていったところ、どれも買いにくくて、結果的に1枠1番のトーホウデュラン(7番人気3着)に白羽の矢を立てたということですね。
5月14日の新潟11R(弥彦S)も、展開面と馬券の組み立てやすさ、単勝での期待値などを総合した結果、1枠1番のルドヴィクスが◎になりました。
──では早速、そのルドヴィクスから思考を教えてください。このレース(弥彦S)は『競馬放送局』での見解文が面白かったので引用させてもらいますね。
『スタートから3コーナーまでの距離約748mと長く先手争いで内外の有利不利は少ないコースレイアウト。人気馬が信頼できるタイプではなく本命、相手共に穴で高配当を狙う。
1ルドヴィクスは朝3時時点で9人気と人気薄だが前走10着ながら0.6差、前々走8着ながら0.9差。3走前は0.2差の2着がありながらこの人気なら狙う価値あり。
相手昇級戦も9グランスラムアスク、12人気の4ソウルトレインは何れも先行力があり展開的にも向きそう。大荒れに期待。』
通常、穴馬本命なら2列目となる◯▲には人気馬を据えることが多いみねたさんが、ここまで明言して大穴を狙いにいっていたのには驚きました。
みねた: 大穴を狙った根拠は、見解文やこのコラムで書いてきた通りですよ。2.0倍と圧倒的な1番人気に推されていた6トゥデイイズザデイが昇級初戦でした。差して勝っている点は悪くないのですが、2連勝といってもともに平場でのもので、いきなり3勝クラスで2.0倍は到底、期待値が見合っていません。
基本的に条件戦での連勝馬は人気になりやすく、期待値が見合わないことがほとんどです。2番人気の12スパイラルノヴァは前走6着とはいえ1.1秒差。それと比較して1ルドヴィクスは前走10着ですが0.6秒差。人気も1ルドヴィクスが大きく下なら、こちらのほうが期待値は取れそうですよね。
──○◎で馬連82.3倍は流石です。
みねた: 最終5番人気でしたが、相手に4番人気が入っての82.3倍なら馬連の期待値はかなり高かったでしょう。券種によるリスクヘッジが活きたレースでもあります。
実は、この日は朝から無料で配信したレースが好調で950人の方がTwitterでリツイートしてくれている注目度が高い中での勝負レース。プレッシャーも大きかったので結果が出せて良かったです。
──展開面、馬券の組みやすさ、という点についても教えてください。
みねた: このレースで、前走の通過順位に3番手以内があったのは4ソウルトレインと9グランスラムアスクの2頭だけ。13頭中2頭の15%だから、先行有利は明白でした。
ただ、前に行く馬から◎を選択すると、馬券の組み立てが難しくなります。この場合だと、逃げ切り昇級戦の9グランスラムアスクは◎にはしないので、4ソウルトレインを◎にするか、あるいは他で今回先行しそうな馬を探すか。その選択を経た上で、さらに相手候補には差し馬も含まれてきます。その点、人気薄の差し馬を◎にするのであれば、素直に○▲には先行馬2頭が置けますよね。
──決着形を意識した買い目、何度も強調されていますもんね。私も6トゥデイイズザデイが危険な人気馬であることまでは辿り着けたのですが、逃げて昇級だった9グランスラムアスクも一緒に消してしまいました。
みねた: そういう人は多かったかもしれませんね。ただ、人気薄を◎にした場合、対抗以下は期待値にこだわり過ぎず、来る可能性をしっかり吟味したほうがいいです。組み合わせで考えた場合、穴→穴や人気→人気と比較して、穴→人気というのは期待値は出やすいので。
例えばこのレースでも、人気→人気となる6-9の組み合わせの馬連は12.1倍しかついていませんが、1-9は5番人気と4番人気の組み合わせでも80倍以上つきましたよね。
──1ルドヴィクスの期待値の高さは馬柱から読み取れますが、そこから先のアプローチは、みねたさんならではでした。
みねた: 1枠1番ということも買い材料の1つだったのですが、それについては、次回、5月13日京都6Rの◎1トーホウデュランとあわせてお話しすることとしましょう。