プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は『「後方占有率」という視点』です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
▼単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』は発売中!
6月21日(水)にみねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
★今週の重賞ピックアップ★
7月16日 函館11R・函館記念(芝2000m)
函館記念は函館芝2000mで施行。初角となる1コーナーまでは約475mあり、枠順による内外の有利不利はありません。
登録21頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのはアルナシーム、キングオブドラゴン、テーオーシリウス、ドーブネ、プライドランド、マイネルウィルトス、ユニコーンライオン、ローゼライトの8頭。先行馬の占有率は30~50%程度になりそうで、好位差しタイプが狙いやすそうです。
ヤマニンサルバムは前走のエプソムCが8-6-5と中団から動いていく競馬。0.4秒差の6着という負け方もちょうど良く、想定11番人気なら期待値がありそうです。
期待値という意味では、昨年1番人気で2着だったマイネルウィルトスが今年は想定10番人気。その函館記念以来、1年振りの実戦となりますが、期待値的な観点では、休養明けはプラスに働くことが多く、気にする必要はありません。
前走で新潟大賞典を3着していながら、想定13番人気にとどまっているのがイクスプロージョン。少し位置取りが後ろ過ぎる嫌いはありますが、ここまで人気薄なら一考の価値も。
スカーフェイスも前走12-12-12-12という通過順位で、やや位置取りが後ろ過ぎではありますが、0.4秒差・8着という期待値が積まれそうな負け方。軸にはしづらいですが、ヒモの候補としては有力な1頭です。
G1→G3という格下がりになるのがユニコーンライオン。G1レースでハナを切る出脚は大きな武器になるでしょう。59キロ克服が鍵ですが、その分、想定8番人気にとどまっています。相手弱化のここで「ナメられ逃げ」が叶うなら、十分に逃げ粘りのチャンスはあるでしょう。
1番人気が想定されるローシャムパークは昇級戦。ただ、しっかり脚をためて差し切る強い競馬でした。ここでも有力候補ですが、あとはオッズが見合うかどうか。
展開的には5-5-5-4という位置取りから後続を0.8秒つけてきたブローザホーン。昇級戦であることを思うと距離短縮ローテも悪くありません。あとは、前走1着、それも圧勝だったので、それがどれだけオッズに反映されるかでしょう。
ハンデ戦なので昇級馬にもチャンスがあり、面白いメンバーが揃いました。あとは枠や並びもしっかり精査して、結論を導き出したいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1イクスプロージョン
4ドーブネ
5ヤマニンサルバム
8ブローザボーン
12ローゼライト
14テーオーシリウス
15アルナシーム
週中の見解で挙げた人気薄の馬がそのまま人気薄で並びも良くここは大穴から入る。ハンデ戦で3列目は手広く行きたい。
■みねたの金言88
『「後方占有率」という視点』
★ピックアップレース★
2023年6月25日函館11R・大沼S(ダート1700m稍重)
◎10ペプチドナイル
○11メイショウユズルハ
▲5セキフウ
△2ブラッティーキッド
☆4ディアセオリー
注3ハセドン
[参考買い目]
単勝 10 2000円
ワイド 10-11.5.2 各1000円
馬連 10-11.5.2.4.3 各500円
3連複 10-11.5.2-11.5.2.4.3 各300円
──6月25日・函館11Rの大沼Sは◎▲○本線決着。単勝4.5倍、ワイド18.3倍&6.0倍、馬連54.1倍、3連複92.1倍の完璧な的中となりました。まずはいつも通り、予想の思考について教えていただけますか?
みねた: 逃げイチです(笑)。
──えーと、出走馬13頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのが…10ペプチドナイルだけですね。13分の1だから、占有率は8%。
みねた: 逃げイチの馬が、予想を出した朝3時時点で10.5倍の穴なら、素直にここから狙いますよね。
もちろん、これが1番人気だったら話は全く変わります。金言28「逃げ馬はナメられている時に狙え」内で、2022年高松宮記念のレシステンシアを例にして説明しましたが、逃げ馬が1番人気だと、後続馬の騎手は逃げ馬さえ捕まえれば勝てると考えるので、どうしても目標にされてしまいます。賞金の高いメイン近辺になるほど、その傾向は顕著ですね。
▼参考記事
【第28回】ヴィクトリアマイル展望&逃げ馬は「ナメられている」時に狙え/馬券師・みねたの金言
──確かに、平場の1勝クラスあたりなら、遮二無二追いかけたりしないケースもありそうですが、オープンともなると1着と2着の賞金差も大きいですから。
みねた: 10ペプチドナイルはオッズもそうですが、直近3走が6着、4着、7着止まりで、前走は逃げて7着。「ナメられ逃げ」になりやすい状況だったので、より買いやすかったですね。
──対抗以下についても教えていただけますか。
みねた: これも簡単ですよ。このコラムや単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』を読まれた方は、すんなり選べたはずです。
──では、ここで一旦、読者の方には考えてもらって…では、答え合わせをお願いします。
みねた: ○にした11メイショウユズルハは「逃げ馬の外」です。逃げ馬の外は、逃げ馬が進路を切り拓いてくれるので恵まれやすいというのは、何度もお話ししたかと思います。逃げ馬の10ペプチドナイルを◎にしたら、当然、印を回すべきですよね。そして▲5セキフウは「距離延長」でした。
──前走が1400mの栗東Sなので、300mの距離延長です。
みねた: 2走前にはフェブラリーSで4番手を進んでいるほどなので、距離延長自体も向きそうですよね。距離延長で前走より位置を取れる想定でしたが、実際はここも後方から差してくる形でした。距離が延びたことで追走を楽に感じ、それがラストの脚に繋がったのでしょう。
──シンプルに、先行馬が少ない緩い流れで恵まれそうな馬を狙って、印上位3頭で3連複92.1倍ですか。みねたさんの展開理論の威力を感じます。
みねた: このレースは、「前走3番手以内」の馬が1頭しかいなかっただけでなく、13頭中10頭が「前走の通過順位に二桁がある」馬でした。いくら「逃げイチ」だったとしても、残りの12頭が4~5番手を取れるような馬ばかりだったら、展開想定は全く変わってきます。このあたりは、見解文では「後方から行く馬が多い組み合わせで逃げられる可能性は高い」と表現しました。
──前走3番手以内という部分ばかりに目を奪われがちなのですが、前走10番手以下の割合を考えるという視点もあるんですね。
みねた: そうです。後方占有率からレースを占うという発想もあっていいですよね。実際、こういった「後方から行く馬ばかりが揃ったレース」を勝負レースにするケースも多いですよ。
──ひとつお伺いしたいのが、このレースで10ペプチドナイルは単勝4.5倍の3番人気まで売れてしまいました。先ほどおっしゃっていたように、朝の段階では10倍ありましたし、私の手元にある専門紙の予想オッズ等からも10倍ぐらいが妥当という印象だったのですが…。こういう時は、どう立ち回るのが正解なのでしょうか?
みねた: 売れてしまいましたね。ちょうど単行本の発売週でもあったので、先行馬をカウントして、「1頭だけだから狙える!」と試しに買ってみた方が多かったのかもしれません。事前に想定したオッズよりも売れてしまうケースの対応というのは非常に重要なテーマなので、次回、詳しくお話しさせていただきますね。
2023年6月21日(水)に、みねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。
【商品説明】
■カリスマ馬券師が遂に手の内を明かした
2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成。一年間の活動休止から復帰した2022年には『競馬放送局』の勝負レースの◎が単勝回収率128%を記録。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本です。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
■「展開読み」が劇的に上達する
みねた氏が重視しているファクターは「展開」。簡単に真似できず、予想法も確立されていないので、期待値が取りやすいのです。本書で紹介する展開読みの極意を知れば、そのレースでスムーズに運べる馬、不利を受けやすい馬が浮かび上がります。専門紙等の展開予想を鵜呑みにするのではなく、自身の展開読みの精度が劇的にアップすることで、まさしく「競馬場と前走位置取りだけ」で競馬に勝てるようになります。
■AIにもトレンドの馬券術にも負けない馬券力が身に付く
世の中には様々な馬券術がありますが、それが世間に浸透するとアドバンテージを失うというジレンマを抱えています。競馬に勝つための唯一の方法は、トレンドを見極め、ファンの心理を逆手に取り、「期待値が取れる」馬券を選び続けること。「展開読み」に加えて、本書に収録している「単体で期待値を取りやすいパターン」を身に付けることで、時代やトレンドに左右されない“真の”馬券力を手に入れることができるのです。
【著者プロフィール】
みねた
かつてはスロプロ軍団の長として、今は予想家として活動する。2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成した後、一旦は表舞台から姿を消したが、2021年秋より復帰。愚直に期待値を追求するスタイルで、展開をベースに回収率の高い馬を選び出す。ストイックに勝利を追求する姿から、同業者からも一目置かれるカリスマ的存在。
定価:2500円+税
著者:みねた
ページ数:237ページ
発売日:2023年6月21日(水)
発行:オーパーツ・パブリッシング