プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“1番人気馬の脚質を意識する”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
6月15日 阪神11R 宝塚記念 芝2200m
今週は宝塚記念。個人的にはヒシミラクル→ツルマルボーイで決まった2003年が印象に残っているレースです。ともに、地味だけど強い、私の好きなタイプですね。
宝塚記念は阪神芝2200mで施行。初角となる1コーナーまで500m以上あるので、先行争いにおける内外の有利不利はあまり大きくありません。登録18頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。先行馬や捲りタイプが揃い、G1にしては動きのあるレースになりそうで、ためる競馬ができるタイプが良さそう。実際、前出のヒシミラクル&ツルマルボーイ、最近だとイクイノックス&スルーセブンシーズなど追い込み決着が目立つレースですよね。
1番人気想定はベラジオオペラ。大阪杯で連覇を達成しました。基本的に人気になりにくいタイプで評価することも多いのですが、今回は1番人気。追われる立場だと乗り方も変わりますし、単勝の期待値があるかは微妙です。実力は疑いようがありませんが、馬券的には人気を落としている時に買いたいタイプではあります。
2番人気想定はロードデルレイ。日経新春杯で重賞初制覇を飾り前走の大阪杯でも2着と充実期に入っています。ただ、この馬もここ2走を4番人気→4番人気ときての2番人気想定となると、タイミング的には買いにくいところ。ただ、道中で脚をためられるタイプで展開は向きそうです。
3番人気想定はアーバンシック。菊花賞が強い内容で、有馬記念では1番人気に推されました。前走の日経賞を取りこぼしたことで人気を落としていますが、中山コースで道中10番手では差し損ねても仕方ありません。想定8倍は甘く映ります。
4番人気想定はレガレイラ。昨年末の有馬記念を制して以来の実戦となります。その有馬記念は、1番人気の呪縛から逃れたタイミングでもありました。当時が5番人気で今回が4番人気。勝利後の一戦と考えれば悪くないオッズにもみえますが、問題は、今回は骨折休養明けという点。単なるリフレッシュ放牧ではないので、割引は必要でしょう。
5番人気想定はドゥレッツァ。菊花賞馬で昨秋のジャパンカップも2着ですから実績上位です。海外遠征も挟み、直近の戦績からは判断が難しいですね。◎にする理由も消す根拠も薄いというのが正直なところ。
ヨーホーレイクは大阪杯を14-14-14-14から3着。道中で脚をためられるタイプなので、想定6番人気・13.5倍ならハマり待ちに賭ける手もアリでしょう。
前年2着で人気薄というのが冒頭で触れたツルマルボーイを思わせるソールオリエンス。直近2走が0.4秒差、0.7秒差なら復活を狙ってみても面白いかもしれません。
メンバー構成的には天皇賞(春)からの距離短縮組が有利なのですが、軒並み捲りを打っているのが悩ましいですね。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言185
1番人気馬の脚質を意識する
★ピックアップレース★
5月18日東京10R 青梅特別 ダート1600m重
◎1ウィズザドリーム
○12ショウナンカブト
▲7オウギノカナメ
△3プルナチャンドラ
☆4オソルノ
注5マンダリンボレロ
―前回に引き続き、5月18日東京10Rの青梅特別について伺います。▲→◎→注の決着で3連複19700円、3連単82490円の高配当となりました。前回はショウナンカブトの扱いについて伺ったので、今回は◎ウィズザドリームの根拠から教えてください。
みねた)金言180「穴馬は完全に上手くいった時に好走する」そのままですね。まず、コースパターンFであっても「最内枠」には「内側からぶつけられない」「コースロスの少ないラチ沿いを走りやすい」というアドバンテージがあります。今回のメンバー構成であれば、スタートさえ決めれば、先行して最内枠のメリットを最大限に生かせるのは明白でした。そして先行すれば、距離短縮ローテだけに粘りも増します。ゲートを決めてハナに立った時は「もらった!」と思ったのですが(苦笑)。
―そのウィズザドリームを制してハナを奪い逃げ切った▲オウギノカナメについても一言もらえますか。正直、前走9着で2番人気。ちょっと買いにくいかなと思ってしまいました。
みねた)これはもう、展開ですよ。前回お話した通り、「先行馬占有率が低い」「1番人気馬が極端な追い込み脚質」という条件が揃っているので目を付けるべきは「先行」または「捲り」になりますよね。
―前走は7-6-7-5という通過順位でした。
みねた)私の好きな「道中で2度脚を使っている」競馬ですね。ロスの大きい走りになるので、1.2秒差の9着という内容は悲観するものではありません。2走前が8-8-7-7、3走前が6-4-2-1なので、一貫して道中で動いていける機動力をみせていました。4角先頭の3走前をみれば、今回、ハナを奪う行き脚をみせたのも納得ですよね。◎ウィズザドリームがハナを切って隊列が落ち着きかけたタイミングだったので、じっとしておいて欲しかったというのが本音ではありますが。
―解説を聞いていると、1番人気のショウナンカブトが極端な追い込み(前走14番手)だったのが大きかったようですね。
みねた)それは間違いないですね。1番人気馬(強い馬)のポジションというのは、ものすごく重要です。やはり今回のように極端な追い込み脚質だと馬券外まで沈んでしまうケースもままあります。全馬が勝ちに切るG1レースは例外ですが、条件戦の場合は、どうしても連戦を見据えて120%の力を出し切る馬は少ないのでペースが緩む可能性が高いですから。
―当たり前ですが、先行タイプの1番人気馬の方が信頼度は高いと。
みねた)そうですね。ただ、例えば、「前走3番手以内経験のある馬が3頭しかいなくて、そのうち1頭が1番人気馬」みたいなパターンだと、その1番人気馬は他馬から目標にされるので2着になりやすい傾向があります。したがって馬券的には2着付けが有効ですね。あるいは、120%の力を発揮したら勝ち切る可能性のある穴馬の単勝も買いやすいです。
―そうなると、1番人気馬が好位(4~5番手)のケースが、勝率は一番高くなりそうです。
みねた)期待値党目線でいえば、「勝ち切ってしまう可能性が高い」ということですね。この馬を◎にしてヒモ荒れを狙うケースも考慮する必要があります。いずれにせよ、他の馬の単勝は買いにくいですね。
―「1番人気馬の脚質」は意識したいと思います。それにしても、この難易度の高そうなレースで3連単8万馬券的中はお見事でした。
みねた)一般的な出馬表から戦績を比較する手法では難しいでしょうね。ただ、展開読みとしては、それほど難しい手順を踏んでいるわけではありません。多くの馬券ファンに難解だと映るレースを読み解く力があれば大きなアドバンテージになります。馬券で恒常的に勝ちたいのであれば、ドカベンの岩鬼のように悪球(にみえる球)を捕らえる力も大事ですよ(笑)。