名馬を題材にしながら、初級者向けの入門編から、中級者向けの応用編まで、馬券術のさまざまなファクターや考え方をまとめていく連載。第3回に取り上げるのは、シンボリルドルフと展開です。
シンボリルドルフは1984年の三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)を、無敗のまま制した名馬中の名馬です。さらに3歳で有馬記念、4歳で天皇賞・春、ジャパンC、有馬記念と、GIを計7勝。「皇帝」のニックネームでも知られました。(※年齢は現在の表記に合わせた)
最後のレースになった米国遠征を除くと、国内では15戦13勝。負けたのは以下の2戦だけです。
3歳のジャパンC・3着。勝ち馬カツラギエース。
4歳の天皇賞・秋・2着。勝ち馬ギャロップダイナ。
なぜ昭和の最強馬シンボリルドルフは、この2戦で敗れてしまったのか。敗因のひとつが「展開」です。
展開とは、
・どの馬が逃げるのか。どの馬は後方か。
・1頭がすんなり逃げるのか、複数の馬が逃げ争いをするのか。
・ペースは速くなるのか(ハイペース)、遅くなるのか(スローペース)。
ほかにも「ペースの緩急があるのか、平均的な速さで流れるのか」「上がりタイムは速くなるのか」なども展開に含まれますが、シンプルにまとめれば「どの馬が逃げるのか。ペースは速いか、遅いか」、これが展開の基礎です。
なぜ、展開が重要かというと、展開によって、能力の劣る馬が強い馬に勝ってしまうことも起きるからです。
2023/01/26 (木)
【第3回】展開をシンボリルドルフに学ぶ(入門編)/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」
- 2023/12/28 (木) 【最終回】ハーツクライに学ぶ東京適性/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術…
- 2023/12/21 (木) 【第49回】東京競馬場と得意血統/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」
- 2023/12/14 (木) 【第48回】京都競馬場とエーピーインディ系/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬…
- 2023/12/07 (木) 【第47回】中京競馬場とロベルト系/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」
- 2023/11/30 (木) 【第46回】中山競馬場とサドラー系/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

田端到
1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。