『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマも前回に引き続き「クラス分けの考え方」です。ぜひお楽しみください!
初心者のための競馬本を書きたい。競馬に興味を持った人が、自分の頭で考えて楽しみながら予想して、できれば馬券で勝てるようになるガイドブックを著したい。
本連載「名馬に学ぶ馬券術」はそこから始まりました。書籍化のタイトルもほぼ決まっています。「100年後も使える王様の競馬教科書」。これでいきたい。ずいぶん偉そうなタイトルで、ドラえもんに怒られそうです。
しかし、入門書をどんな構成にすれば良いのか、悩み始めるとなかなか進まない。とりあえず、構成を考える前に書き始めることにしました。
直近のレースを題材にすると、いざ本にするときにタイムラグが生じて例が古くなってしまうから、昔の名馬を題材にしよう。これなら、いつ本にしても伝わるだろう。オールドファンが懐かしみながら、自分の予想スタイルを再確認するのにも使えるだろう。「名馬に学ぶ」形にしたのはそのためです。
20回ほど書き進め、ようやく全体の構成が見えてきました。この連載に今までまとめてきた内容は、全5章の本の第3章と第4章にあたります。「第3章 適性を知る7つのファクター」と「第4章 レースを推理する7つのファクター」のようなイメージです。
そろそろ第1章と第2章に取り掛かりたい。なぜこんな裏事情を説明しているかというと、今後は「名馬に学ぶ」形にとらわれず、自由に書き進めよう。そのお断りをしておこうと思ったからです。
第1章は「能力と適性をつかむ最重要5項目」のような内容を予定しています。もっとシンプルに「能力の見極め方」としたほうがいいかも知れません。
第2章は「血統の考え方・使い方」を予定しています。「血統とローテーション」「血統と距離適性」「血統と好走リズム」のような内容です。
第5章は「馬券の買い方」「買い目の組み方」について。馬券の上手な人と上手じゃない人は、買い目の組み方を見ただけでわかります。
ここ2回は「クラス分け」について書いてきました。今回は「同じクラスでもレベルの差がある」という見方と、その実用法を紹介します。これは第1章の「能力の見極め方」に入ります。
例えば同じレースに、前走2勝クラスで5着だった馬と、前走2勝クラスで2着だった馬が出ていたら、どちらの能力が高いと思いますか。
これだけでわかるわけはありません。わかるわけないのですが、しかし実際には、単純に前走2着の馬のほうが人気になる例をよく見かけます。
しかし、着順だけで判断するのは誤りです。同じクラスでもレースのレベルに差があり、それは出走馬を見なくても番組的に決まっている場合がある。
2勝クラスなら以下の3つのレベルに分かれます。まず芝の場合。