『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは「データの掘り下げ方」です。ぜひお楽しみください!
予想には「縦の糸」と「横の糸」がある。これは私が以前から提唱している考え方です。出走各馬の適性や走力が、縦の糸。そのレースの持つ性質や傾向が、横の糸。縦の糸と横の糸がうまく絡み合ったときに、織りなす馬券があなたをあたためて幸せにします。
各馬の適性と走力を見定め、展開を読んだら、次にやるのはそのレースの性質や傾向を知ることです。いや、どっちが先でも構いません。
重賞なら、今はネットを見るだけで「今週の重賞の傾向」を教えてくれる記事がたくさん無料で読めます。競馬には多種多様なファクターがあるため、データだけでも10種類や20種類はすぐに出てきます。年齢、枠順、脚質、血統、騎手、厩舎、馬体重、上がり3ハロン、前走着順、前走着差、レース間隔、距離の短縮延長……などなど。
データを見る場合の注意点をあげます。
(1)レースによって、重要なファクターは違う。枠順が大事な重賞もあれば、血統がものをいう重賞もある。
(2)データを掘り下げるには「二番目の網」に通すこと。
(3)自分の中に「柱」となるファクターを持つこと。
(1)は時間をかけて学んでいくべきところでしょう。安直に答えを求めるより、馬券で痛い目にあいながら学習していくほうが身になります。
(2)と(3)は重なる部分もあり、これも時間をかけながら自分のフォームを固めていくしかありません。あらゆるファクターを等距離で気にしていたら混乱してしまうため、自分の中に柱を持つ必要がある。
データを二番目の網に通す、について説明します。例題としてスプリンターズSの過去10年を扱います。来週はこんなデータがたくさんメディアに出てくるはずです。