プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「ダートは外枠有利という原則」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
3月5日中山11R・弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m)
弥生賞ディープインパクト記念は中山芝2000mで施行。スタンド前直線半入口付近からスタートし、初角となる1コーナーまでは400mほど。枠順による先行争いにおける有利不利はあまりありません。ただし、中山はまだ開幕2週目と芝の状態が良いため、やや内が有利ではあるでしょう。
前走の通過順位に3番手以内があるのは登録12頭中9頭。占有率75%と非常に先行してきた馬が多く、展開的には差し有利と考えるのが妥当でしょう。
前走4番手以下から競馬しているのはアームブランシュ、グランヴィノス、グリューネグリーンの3頭。
アームブランシュは葉牡丹賞9着からの臨戦で、その葉牡丹賞では道中捲っていく競馬でした。今回の展開想定では、捲り型よりも脚をためるタイプの差し馬が向きそうなので、その点ではマッチしていませんが、2走前の未勝利勝ちは脚をためての差し切りでした。想定の通り、10番人気前後の超人気薄なら狙ってみる価値はあるでしょう。
グランヴィノスは兄姉にヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスらをもつ良血。京都2歳Sでは1番人気を裏切る形になりましたが、新馬・京都2歳Sとデビューから2戦続けて、差す競馬を試みられており、陣営の高い期待度が伝わります。
グリューネグリーンの前走はホープフルSで11着。さすがに負け過ぎの感はありますが、GIの舞台だった点では情状酌量の余地があります。前走の厳しい経験を糧に、本来の先行策に戻った場合、その経験を活かして残す可能性も。京都2歳S組が上位人気に支持される一戦で、勝ち馬であるグリューネグリーンが6番人気前後であれば、期待値が取れる可能性は高いでしょう。
他に穴を探すなら、新馬戦で差す競馬を試みられた馬。候補としては、セッション、レヴォルタード、ワンダイレクトあたり。
1番人気が見込まれるトップナイフは、先行タイプではありますが、厳しい流れで本領を発揮するタイプ。トライアルながら激流になりそうなのは好材料でしょう。
タスティエーラは、共同通信杯で脚をためて4着。欲をいえば府中なら差し切って欲しいところでしたが、今回に繋がる競馬ではありました。
いずれにせよ、クラシックに向けて見逃せない一戦となるのは間違いないでしょう。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
3アームブランシュ
4トップナイフ
6タスティエーラ
7ゴッドファーザー
9ヨリマル
10グリューネグリーン
先手争いで枠順による有利不利は少ないコースレイアウト。メンバー構成的には前走で前に行っている馬が多く、前走で脚を溜めた馬を狙いたいレース。アームブランシュ、グリューネグリーン共に人気が無く高配当を狙う。
■みねたの金言69
『ダートは外枠有利という原則』
★ピックアップレース★
2月26日阪神7R・4歳以上1勝クラス(ダート1200m稍)
◎12プレイテシア
○13パレフォーコン
▲11サイモンカーチス
△4テイエムフェロー
☆7ピースキーパー
注6レディアリエス
[参考買い目]
単勝 12 2000円
ワイド 12-13.11.4 各1000円
馬連 12-13.11.4.7.6 各500円
3連複 12-13.11.4-13.11.4.7.6 各300円
──先週は勝負レースの◎が3勝。これで2023年も◎の単勝回収率が100%を超えたとか。
みねた: 年が明けてから、中穴の◎の2着止まりも多くて、波に乗り切れない部分があったので、先週はしっかり勝ち切ってくれてよかったです。
──先週の段階でも回収率は90%あったのですが、100%を超えて「通常営業だな」という印象ですね(笑)。では、その3レースを初角までの距離と先行馬の割合にスポットライトを当てて、振り返ってみたいと思います。まずは土曜阪神7R、◎は1モンテディオでした。
みねた: 阪神芝2400mは1コーナーまでの距離が約325m。300m未満だと初角までの距離が短い=先行争いにおいて内有利、と判断しますので、325mは内外イーブンか、やや内有利ぐらいといったところですね。そして前走の通過順位に3番手以内があったのは、1モンテディオ、5ウン、6サトノシャロームの3頭でした。
──8頭中3頭、占有率は38%ですね、
みねた: 目安として、40%未満であれば前有利として捉えます。このレースは38%なので、前有利で予想を組み立てています。このレースは神戸新聞杯3着と明らかに格上の能力を持つ1モンテディオが、休み明けの影響で2番人気にとどまっていたというのが最大の推奨理由なのですが、枠順の観点でも1モンテディオは買いでした。
──先行馬の並びが、1番、5番、6番なので、1番だけが離れていたからですよね。金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」で学びました。
みねた: 正解です。5番の馬が2番に入っていて、先行馬の並びが1番、2番、6番だったら、1頭だけ離れている6サトノシャロームを重視した可能性もあります。また、325mと、比較的初角までの距離が短めだったので、内のほうが先手を取りやすいという側面もありました。
──実際に、1モンテディオがハナを奪って逃げ切りました(単勝3.7倍)。
みねた: 目論見通りでした。ただ、これぐらい距離があれば、外からでも先行することは可能で、例えば同じ初角までの距離が300m強のコースであっても、短距離のほうが内枠の優位性が大きいことは頭に入れておいたほうがいいでしょう。
──続いては土曜阪神8R。ダート1400m戦で◎は14ロードオルデン(単勝5.0倍)でした。
みねた: これは「メンバー構成、並びからも前走よりスタートで前に行けそうで直線届く位置で迎えられる可能性は高い」という見解文の通りです。
──もう少し、噛み砕いて教えていただけますか?
みねた: まず、阪神ダート1400mは芝スタートで、初角まで544mあります。初角までの距離があり、外枠のほうが芝部分を長く走れるので、外枠有利が基本のコースで14番をひいたのは、大きなアドバンテージですよね。並びというのは、自身のすぐ外が前走15番手の馬で、外から被せられる可能性が低かったという事です。
──このレースは、前走の通過順位に3番手以内があったのが5頭。16分の5なので占有率31%なら、あまり前は激しくならなさそうで、差し届くか少々不安なところではあります。
みねた: ただ、14ロードオルデンは2走前まで1200mを使われていたような短距離適性の高い馬なので、緩い流れの1400mであれば、普段よりも前の位置を取れそうなのは予見できます。いくら末脚が強靭だといっても、4コーナー二桁の通過順位から差すのは至難の業で、どうしても2、3着止まりが多くなるもの。それよりも少し前目の位置を取れれば、1着のチャンスは大きくなります。今回の枠と並びなら、それが叶うと判断しました。
──思惑通り、いつもよりやや前、7番手を追走して、見事に差し切りました。
──最後は日曜阪神7R。ダート1200m戦で◎は12プレイテシア(単勝9.1倍)。
みねた: このコースは、初角まで342m。先行争いでの内外の有利不利はほぼイーブンですね。ただ、ダート戦は、全般として、砂を被りにくいので外有利になりやすい傾向があります。その点で、12番枠はいいですね。
──前走通過順位に3番手以内があったのは6頭ですから、16分の6で38%。脚質的にも、先行も差しもイーブンといったところでしょうか。
みねた: そうですね。ですから、このレースはシンプルに「逃げ挟みの差し馬」の12プレイテシア狙いでした。ロスのないレースでの差し切りで、逃げ挟みらしい決着でしたね。ただ、このレースは、あと1頭印を回すなら、12番人気で2着した15イチローイチローだったので、馬連553.6倍を逃した悔しさが大きいです。
──ダートは基本外有利、特に誰にも邪魔されない大外15番枠ですね。
みねた: 久々のダートでしたが、過去の2戦は重賞と2歳1勝クラスというハイレベルの2戦だけ。まさに金言31「表層的な数字だけをみると、本質を見誤る」で、この馬を拾えなかったのはミスでした。まだまだ修行が足りません。
──◎が3勝した週なのに、反省しきりですね。でも、そのストイックさこそが、みねたさんを人類最強予想家たらしめている点なのでしょうね。