プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“3列目のアレンジは悪くない”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
6月16日 京都11R マーメイドS 芝2000m
マーメイドSは京都芝2000mで施行。初角となる1コーナーまでは300m強とやや短めですが、開催後半でもあるので、内外の有利不利はほとんどないと考えます。
登録24頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。うち1頭は除外対象なので、出走してくるのは3頭(アリスヴェリテ、ゴールドエクリプス、ベリーヴィーナス)になりそうです。
先行馬占有率が20%を切るメンバー構成なので、前に行くであろう3頭には、まずは注意を払いたいところ。先行馬候補の中で、唯一、昇級戦でないのがゴールドエクリプスです。前走G2で0.8秒差から斤量2キロ減。距離延長ローテも悪くなく、6番人気単勝14.1倍であれば期待値は高そうです。
アリスヴェリテはなんといっても斤量50キロが魅力。この斤量なら積極的に逃げの手に出る可能性が高く、後続がナメてくれるようであれば残り目も。
ベリーヴィーナスはゴールドエクリプスと同斤量というのは相対的に厳しく感じますが、ここ2戦7番人気、8番人気で逃げ切っており、持ち人気の低めなナメられやすいタイプ。ここも12番人気25.5倍なら面白味はあります。
1番人気想定のエーデルブルーメは3勝クラスからの昇級戦。7-7-6-6から0.3秒つけた勝ち方は優秀で2走前は9-10-2-3から4着と、能力の高さは感じます。ただ、人気割れのなかとはいえ、1番人気で期待値があるかは微妙。
2番人気想定はミッキーゴージャス。G1からの臨戦で、2走前の愛知杯は10-10-4-2から1着という豪快な内容。先行馬が少ないここは捲りもハマりそうです。ただ、斤量56.5キロは愛知杯から2.5キロ増で、主戦の川田騎手がエーデルブルーメに騎乗するのも不安材料。手放しで買える感じではありません。
3番人気想定のコスタボニータは、どんな流れでも好位を取れるのが強み。ここは、そのアドバンテージを生かせそうなメンバー構成です。3番人気7.0倍なら期待値はありそう。
捲りタイプならタガノパッションに注目。前走14-13-4-5から0.5秒差の6着は上々で、今回は当時の勝ち馬コスタボニータとは同斤量から3キロ貰いになります。十分に逆転可能でしょう。
大穴候補はエリカヴィータ。7-7-6-6と道中動いた前走で0.4秒差。直近6走続けて0.9秒差以内に走っており、仮に今回、馬券に絡めなかったとしても、どこかで波乱を演出しても不思議ではありません。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言134
3列目のアレンジは悪くない
★ピックアップレース★
5月19日 新潟9R 石打特別 芝1800m
◎14ヨウシタンレイ
○7タケトンボ
▲3メイショウノブカ
△2ブラックヴァール
☆5ガールズレジェンド
注4トンジンチ
[参考買い目]
単勝 14 2000円
ワイド 14-7.3.2 各1000円
馬連 14-7.3.2.5.4 各500円
3連複 14-7.3.2-7.3.2.5.4 各300円
―引き続き5月19日新潟9Rの石打特別について伺わせてください。参考買い目でワイド10.3倍×1000円&12.5倍×1000円、3連複117.9倍×300円の的中だったレースで、前々回は14ヨウシタンレイを◎にした理由について、前回は7タケトンボを○にした理由について解説していただきました。そして今回は具体的な買い目構築などについてお聞かせ願えればと。
みねた)わかりました。3回にわけるぐらい、示唆に富んだレースだったということですよね。確かに、私がかねてから提唱している「スムーズに走れるのはどの馬か?」という視点が、見事に結果に直結しました。
―このレースは内枠に先行馬がズラリと並んでいましたが、対抗以下の印は全て先行馬に打っていました。一頭離れていた○7タケトンボまではわかるのですが、それ以外にも先行馬に印を集めたのはなぜですか?
みねた)これは何度もお話ししたと思いますが、ヒモ以下については「来る確率」重視でいいですから。軸となる◎選びにおいては、並びや期待値の高いパターンなどを検討しますが、実際に期待値の高い馬だけで決着するケースは稀です。競馬は、基本的に先行馬が馬券に絡む確率が高いので、先行馬を重視することになりますよね。いずれにせよ、このレースの場合は◎を期待値重視で選んでいて、○も期待値が高い馬。それ以下のヒモは好走確率重視で選んだとしても、期待値の低い馬同士の組み合わせにはなりません。もちろん逆のパターンでも良くて、◎を好走確率重視で選んだ上で、対抗以下は期待値の馬を並べるのもアリです。
―金言38「下級条件では差し馬は1頭まで」というお話もありました。
みねた)まさにそういう決着でしたよね。戦前のイメージも、前に行くであろう2、3、4、5、7のどれかを14ヨウシタンレイが差し切り、3着にもどれかが残るというものでした。結果的には14ヨウシタンレイが差し切れませんでしたけどね。前走でハナを切っていた7タケトンボが逃げるかな、というぼんやりとした想像はありましたが、事前にどれが逃げるかを予測するのは不可能ですので、先行馬5頭を一つのグループとして考えた、というのがわかりやすい表現かもしれません。
―確かに、5ガールズレジェンドは出遅れてしまって、2ブラックヴァールがハナを切るというのは予測できませんよね。そして、結果的にハナを奪った2ブラックヴァールが2着に残って波乱を演出しました。
みねた)2ブラックヴァールの前走は13-1-1という大捲りで、0.7秒差に踏みとどまっていました。相当ロスの大きい競馬ですし、13番手から先頭に立つというのは旺盛な前進気勢の証。金言42「道中で捲った馬は着順を問わず次走も注目せよ」に当てはまっており、期待値の取れるパターンに合致した馬ではあったので、事前にピンポイントで予測はできないものの、驚くような激走でもなかったといえますね。
―ここまで話を聞くと、◎14ヨウシタンレイの理由も、対抗以下が先行馬だった理由も「なるほどなぁ」と納得できるのですが、とはいえ、例えば12ナンヨーアゼリアなんかは、前走上がり最速で0.4秒差の6着ですから、期待値がありそうだなと思ってみたり。13メランポジュームも前走7-11-9からの0.7秒差・8着なら悪くありませんよね。
みねた)そうですね。私の買い目が絶対的な正解ではありませんし、このレースの場合は1列目、2列目にしっかりと期待値のある馬が入っているので、3列目にこの馬たちを加えるのはアリだと思います。3列目は10頭ぐらいまでは広げても問題ないと考えています。もちろん11番人気以下の馬は、闇雲に買っていると確実に控除率を下回ってしまうので、吟味する必要はありますけどね。
―3連複の3列目は手広くしてもいい、と。
みねた)このレースでも10.3倍と12.5倍のワイドが的中していますが、ワイドが押さえとして効いていますよね。押さえのワイドでも十分に期待値があって、3連複はそこからさらに絞って期待値を上げていこうという馬券なので、無理に絞らなくてもいいのです。逆にトリガミが嫌、期待値だけを追いたいということであれば◎○の馬連&ワイドだけでも構いません。適度に当てたいのか、回収率さえ上がればいいのか、そこはご自身のスタイルに合わせて選択していただければと思います。