『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは走力を見極めるための重要項目その1「クラス成績」です。ぜひお楽しみください!
予想の最初に見るべき重要ファクター。前回までは「各馬の適性を把握するための最重要項目」を3つ紹介しました。
今回からは「各馬の走力(絶対能力)を見極めるための最重要項目」を3つ紹介します。
走力(絶対能力)とは、走るのがどのくらい速いか遅いかという話で、距離や競馬場はさておき「この馬は2勝クラスだと常に上位だけど、3勝クラスだと展開に恵まれたときだけ上位に来るくらいの走力」というような意味です。数字で表せるものではなく、各自が自分の基準で把握すればいい。
各馬の走力を見極めるための最重要項目、ひとつめは「クラス別の成績」をピックアップします。
説明するまでもなく、該当クラスや、ひとつ前のクラス成績です。これを確認しながら、各馬の走力を把握していく。今回のレースで文句なしに通用する走力なのか、展開や馬場が向いたときだけ通用する走力なのか、それとも通用するのが難しい走力か。
「オープン大将」という呼び方を聞いたことがあるでしょうか。オープンクラスのレースには強い。しかし、重賞になると勝てない。これがオープン大将です。その壁を正しく見極められれば、オープンのレースだけ馬券を買い、重賞では消せばいいのだから、取捨が楽になります。
ダイワキャグニーという馬がいました。9歳までオープンを張り、今年引退したばかりの馬です。
5歳までの主な勝ち鞍は、プリンシパルS、キャピタルS、メイS(連覇)、オクトーバーS。オープンだけで5勝の荒稼ぎ。しかし、重賞になると足りない。
6歳の6月にエプソムCを制して待望の重賞制覇を飾りましたが、このレースの前までは重賞【0-0-2-10】、オープン【5-0-1-3】。なぜこんなに違うのかと不思議に思うくらいで、これこそオープン大将という呼び名が昔から存在する理由です。「格」がひとつ上がると、途端に通用しなくなる例はたくさんあって、珍しくない。
当然、同じ例は条件馬にも山ほどあります。2勝クラスでは通用しても、3勝クラスでは通用しない。これを見極めるためのファクターが「クラス成績」です。