競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「凱旋門賞有力馬1か月前チェック」です。
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6日、パリロンシャン競馬場で、凱旋門賞と同じ芝2400mを舞台にした凱旋門賞のプレップ3競走(ヴェルメイユ賞、フォワ賞、ニエル賞)が組まれたアークトライアルデーの開催が行われました。
さらに、今週末は愛チャンピオンSや英愛のセントレジャーS、去年はクロワデュノールが勝ったプランスドランジュ賞なども予定されています。
特に12日にレパーズタウン競馬場で行われるG1・愛チャンピオンS(芝10F)は、先月のG1・インターナショナルS(ヨーク芝2050m)の上位3頭が揃う好メンバーとなりました。
ウィリアムヒルの前売りオッズ1番人気は、コンスティテューションリバー(牡3/愛国 A・オブライエン)で2.75倍です。G1・仏ダービーとG1・エクリプスSを連勝した後、インターナショナルSは3着に終わり、地元でのレースとなる今回は負けられません。
そのインターナショナルSで金星を挙げたアイテム(牡3/英国 A・ボールディング)が3.5倍の2番人気。同じくインターナショナルSの2着馬アルマカム(牡5/英国 E・ウォーカー)が5.5倍の3番人気となっている他、7.0倍の4番人気には、エクリプスSの2着馬で、前走G3ロイヤルホイップS(カラ芝10F)で重賞初勝利を挙げたアボーイネームドスージー(牡3/愛国 D・オブライエン)が続いています。
愛チャンピオンSのメンバーはいずれも10Fを得意としていることから、凱旋門賞の前哨戦としては本番に出走してくる可能性が高いとは言えませんが、今週末の結果を受けると、10/4の凱旋門賞の大方の出走メンバーが固まってきそうです。
そこで今回は、今週末の出走馬も含め、現時点での凱旋門賞の前売り上位人気馬の動向をチェックしておきましょう。
ウィリアムヒルの凱旋門賞前売り1番人気は去年の優勝馬ダリズ(牡4/仏国F・グラファール)で3.25倍です。
6月のプリンスオブウェールズSは3着に終わりG1の連勝が3でストップしましたが、4頭立てとなった6日のG2・フォワ賞を快勝。上がり3Fは32秒57という驚異の末脚を披露してみせました。
このあとは、もちろん凱旋門賞に向かう予定で、牡馬としては1977年、1978年のアレッジド以来48年ぶりとなる連覇に向け、順調な仕上がりを見せています。
7.0倍の2番人気は、英国調教の3歳牡馬モルティーズクロス(W・ハガス)です。
シーザスターズ産駒で、道悪の英ダービーで2着の後、凱旋門賞と同舞台のパリ大賞を稍重馬場で勝利。前走は、先月19日に行われた英セントレジャーの前哨戦G2・グレートヴォルティジュールS(ヨーク芝2200m)で英ダービー馬クリスマスデーらを相手に快勝しました。
陣営はレース間隔を理由に次走をセントレジャーではなく凱旋門賞にすると明言。前売りオッズも上昇しました。また、道悪を苦にしない点も見逃せません。
9.0倍の3番人気は、5歳牝馬のカルパナ(英国 A・ボールディング)です。
2走前、去年は2着だったキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでカランダガンに1馬身半差をつけ勝利。前走のヨークシャーオークスも勝利してG1を連勝。次走は去年7着に終わった凱旋門賞に向かうことが有力視されています。
父はスタディオブマン(その父ディープインパクト)。牝馬が強い凱旋門賞であり、今年の充実度を考えると、最も有力な1頭かもしれません。
3歳世代の牝馬では、今年の英オークス馬サンダリングオン(愛国 J・オブライエン)が13.0倍です。
英オークス勝利の後、古馬相手のG1・プリティポリーS(カラ芝2000m)は4着。7月のG1・愛オークスはレース当日に回避し、13日の愛G2・ブランドフォードSで復帰する予定です。
夏を休養に充てたことで、どんなパワーアップした姿を見せるのか。凱旋門賞に強いフランケル産駒でもあります。
前述のアイテムも13.0倍で並んでいます。オンブズマンvsコンスティテューションリバーの対決が話題となった先月19日のG1・インターナショナルSで見事に勝利したジャドモントの3歳牡馬。まずは好メンバーとなった今週末の愛チャンピオンSに注目ですが、2400m戦の経験は道悪の英ダービー(9着)1回のみ。同馬主、同厩舎、同主戦騎手のカルパナがいるだけに、凱旋門賞出走は微妙です。
先週末のフォワ賞でダリズの2着だった英国調教馬ベイシティローラー(牡4/G・スコット)が15.0倍です。英ダービーと同じ日にエプソムで行われ、道悪でカランダガンが惨敗したG1・コロネーションCの勝ち馬。去年は重馬場のG1・バイエルン大賞を勝っているニューベイ産駒。重馬場になることが非常に多い凱旋門賞だけに侮れない1頭です。
アークトライアルデーの3歳G2・ニエル賞の勝ち馬ヴァランディール(仏国 F・グラファール)が17.0倍。キャリア5戦で敗れたのは2走前のパリ大賞4着のみと、まだ底を見せていません。ダリズと同じ陣営ですが、アガ・カーンスタッドの関係者は凱旋門賞出走に前向きです。
この他、21.0倍で4頭が並んでいます。ジャドモントの4歳牝馬で、ヴェルメイユ賞は3着だったサンリー(仏国 F・グラファール)、先月のG1・ジャンロマネ賞(芝2000m)は2着に終わり、G1の連勝が4で止まったダイヤモンドネックレス(牝3/愛国 A・オブライエン)、ヨークシャーオークス3着の後ヴェルメイユ賞を回避した去年の凱旋門賞2着馬ミニーホーク(牝4/愛国 A・オブライエン)、それに愛チャンピオンSに出走予定のアルマカムの4頭です。
さて、日本の2頭はというと、メイショウタバル、アドマイヤテラともに26.0倍となっています。同じオッズでは、愛チャンピオンSに出走するコンスティテューションリバーと、ニエル賞で5着に終わった愛ダービー馬ベンヴェヌートチェッリーニのA・オブライエン厩舎の3歳牡馬2頭も並んでいます。
正直、出否が微妙なバリードイル調教馬と同じオッズという伏兵扱いなのは悔しいところです。
通算12回目の凱旋門賞騎乗となる武豊騎手と挑むメイショウタバル。一方、鞍上にC・デムーロが決まったアドマイヤテラ。2頭はいずれも8日に出国し、9日にはフランスに到着。シャンティイの小林智厩舎を拠点に滞在し調整することになっています。まずは無事にスタートラインに立ち、下馬評を覆す快走を見せてくれることを今から期待しています。
来年からはセン馬に開放されることも決まった凱旋門賞。今年のレースまで、あと24日です――。
