競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは、日本時間の23日(日)午前10時半頃、アメリカ・デルマー競馬場で行われるパシフィッククラシックの有力馬紹介です。日本からは3歳馬フィンガーが出走を予定しています。
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アメリカ・カリフォルニア州のデルマー競馬場で、現地時間の22日夕方(日本時間の23日朝)、西海岸の中距離路線における夏の大一番、GI・パシフィッククラシック(ダート10f)が行われます。
今年はフィンガー(牡3/美浦・田中博康厩舎)が1991年のレース創設以来、日本調教馬として初めて出走することになりました。大幅に拡大されることになった海外馬券発売の対象レースとなっているものの、適用が来月5日からのため、残念ながら今回は馬券発売されません。BCクラシックに向けた重要な前哨戦の1つでもあり、フィンガーの走りと合わせ要注目の一戦です。
去年のプリークネスSなどG1を3勝馬のジャーナリズムが、前走のサンディエゴHでの負傷が判明し引退。また、西海岸を代表するボブ・バファート厩舎の管理馬も、去年のBCダートマイル優勝馬ナイソスが引退したほか、去年のG1グッドウッドSの勝ち馬ネバダビーチも登録せず。17年ぶりにボブ・バファート厩舎の管理馬が出走しないパシフィッククラシックということになりました。
11頭立ての中、主催者想定の単勝オッズ「モーニングライン」は、3.5倍のオッズでナイツブリッジ(牡5/ウィリアム・モット厩舎)が1番人気となっています。
ゴドルフィンの自家生産によるナイキスト産駒で、祖母は2006年のBCディスタフ優勝馬ラウンドポンドという血統馬。去年からG3を3連勝した後、5月のG1チャーチルダウンズSがテーオーエルビスの6着、6月のメトロポリタンHがナイソスの2着でしたが、距離を9fに延ばして初の2ターンのレースとなった先月18日の前走G3・モンマスCでは2着に10馬身以上の差をつける圧勝劇を演じました。
さらに距離を延ばし、今回は初の10f戦となります。ゲートは11番。鞍上はジュニオール・アルバラード騎手です。
2番人気は、フォージドスティール(牡4/サフィー・ジョセフ・ジュニア厩舎)で6.0倍です。
2走前5月のG2・ハリウッドゴールドC(ダート10f)をマイペースの逃げから9馬身半差で圧勝して重賞初勝利をあげたヴェコマ産駒。前走のG2・サバーバンS(ダート10f)はスタートでつまずき5着。その後、豪華メンバーとなったG1・ホイットニーSにも登録していましたが、馬場を理由に取り消していました。ゲートは2番。鞍上はエドウィン・ゴンザレス騎手です。
3番人気は、ヒットショー(牡6/ブラッド・コックス)で7.0倍です。
フォーエバーヤングが3着に敗れた去年のドバイワールドカップ優勝馬。ドバイWCは今年も出走して5着だった後、5月のG3・ブレイムS(ダート9f)が3着、前走7月のG2・サバーバンS(ダート10f)は2着。追い込み一辺倒の脚質のため、展開がハマらないと勝ち切れない面もあります。ゲートは7番。鞍上は優勝した去年のドバイワールドカップでも手綱を取ったフローラン・ジェル―騎手です。
4番人気は、9.0倍のオッズで3頭が並んでいます。そのうちの1頭が日本のフィンガー。2017年のドバイワールドカップやBCクラシックなどG1を6勝したガンランナー産駒です。羽田盃、東京ダービーともに、タフな流れの中で後続を寄せ付けずに押し切るという強い競馬でダート2冠達成。父も母もアメリカ血統ということもあり、BCクラシック出走を目指して、前哨戦のパシフィッククラシックに出走することになりました。
今年はスターホースが不在な上、3歳牡馬は古馬の124ポンド(56kg)に対し118ポンド(53.5kg)で出走でき、チャンスは十分。なお、近年のパシフィッククラシックでは、2023年が3歳馬のワン・ツーだった他、去年も唯一の3歳馬ジャーナリズムが2着に入っています。フィンガーのゲートは3番。鞍上は本場アメリカのダートレースは初めての騎乗となる戸崎圭太騎手です。
フィンガーと同じ9.0倍で並んでいるナバホウォリアー(セ5/サフィー・ジョセフ・ジュニア厩舎)は、昨夏に現在のS・ジョセフJr厩舎移籍後にブレイク。重賞初挑戦となった5月のG2・ピムリコスペシャル(ダート9.5f)を逃げ切り勝ちすると、7月の前走G3・コーンハスカーH(ダート9f)も先行策から勝利して目下3連勝中です。父は2003年のパシフィッククラシックをレコード勝ちしたキャンディライド。ゲートは9番、鞍上はマイク・ハズバンズ騎手です。
また、フルセラーノ(牡7/ジョン・サドラー厩舎)も9.0倍で並んでいます。アルゼンチン産で、デビューからアルゼンチンで走っていましたが、2024年の途中にパシフィッククラシックを4勝しているJ・サドラー厩舎に移籍すると、パシフィッククラシック2着、同じくデルマーで行われたBCダートマイルを8番人気ながら勝利しました。ゲートは10番。鞍上はパシフィッククラシック2勝のジョエル・ロザリオ騎手です。
その他、前述のG2ハリウッドゴールドCでフォージドスティールから9馬身半差の2着だったマラルチュク(牡5/マイケル・マッカーシー厩舎)が11.0倍(5番ゲート/U・リスポリ騎手)。
アルゼンチン産馬で、1年8か月ぶりの復帰戦だったハリウッドゴールドカップは最下位に終わったサブサナドール(牡7/マイク・スミス騎手/ゲート4番)と、前走のハリウッドゴールドカップは4着に終わったジャスティファイ産駒ブリティッシュアイルズ(セ5/ディエゴ・ヘレーラ騎手/ゲート8番)が13.0倍の8番人気で並んでいます。
また、ヒットショーが3着だった5月のG3・ブレイムS(ダート9f)を勝ったオリジナルシン(牡4/フアン・ヘルナンデス騎手/6番ゲート)が16.0倍、出走唯一の牝馬で、重賞を3勝しているオムンジョイ(牝4/ケント・デザーモ騎手/ゲート1番)が21.0倍となっています。
2016年はカリフォルニアクロームが5馬身差、2022年はフライトラインが衝撃の19馬身1/4差で勝利したパシフィッククラシックですが、スターホース不在で混戦模様の今年は、日本のフィンガーを含めてどの馬にもチャンスがありそうです。発走は日本時間の日曜午前10時半ごろの予定です。
